WCRP/RfP国際委がインターネット上での子どもの性的搾取に関するガイドブックを作成 ユニセフ、ECPATと協働で

©UNICEF/UN018606/Zehbrauskas 16歳のときにSNSで性的虐待の被害に遭った女の子(エルサルバドル,サンタ・テクラ)2016年4月撮影

世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)国際委員会はこのほど、国連児童基金(ユニセフ)と国際NGOの「ECPAT」(エクパット、本部・バンコク)と協働で、子どもの性的搾取に関するガイドブック『インターネット上の性的搾取から子どもたちを守る』を作成した。これに関して、日本ユニセフ協会が5月16日、プレスリリースを配信した。

現在、インターネット上では子どもへの性的虐待に関するコンテンツが拡散され、携帯電話やスマートフォンで同様の性的なメッセージや写真のやり取りが行われるなど、子どもたちの性的搾取が大きな問題となっている。同ガイドブックは、世界の宗教指導者が広く社会に対して注意喚起を行うことで、この問題に対する予防と対応を図り、終結に向けた取り組みを強化することを目的に作成された。ユニセフは子どもの商業的性的搾取の問題に長年取り組み、1991年に設立されたECPATはアジア地域における児童買春の根絶を目指して活動を続けている。

ガイドブックには宗教指導者の役割とその重要性が示され、性的暴力を受けた子どものサポート、性的虐待という犯罪に対する人々の意識の啓発といった行動の推進が記されている。また、政策への提言や、他団体との協力による問題解決への取り組みを促している。

今回のガイドブック作成にあたり、WCRP/RfP国際委のウィリアム・ベンドレイ事務総長は、子どもを性的搾取から守るため、「世界のさまざまな宗教共同体は、世界中で起きているこの問題に、自らの宗教共同体をはじめ、広範な地域レベル、国家レベルで、多くの人と協働で取り組むべきです」と語った。

一方、ユニセフのプログラム局長を務めるエドワード・チャイバン氏は、犯罪が家や地域の中で行われていることが多いと指摘した上で、宗教共同体や宗教を基盤とした各組織に向けて、「犯罪に対して沈黙することなく、非道な行為から子どもたちを守り、犠牲となった子どもたちを保護する重要な役割がある」と期待を寄せた。

ガイドブック(英文)はこちら
https://www.unicef.org/protection/57929_79672.html