「開祖さま生誕会」庭野会長が法話 紡がれたいのち尊び、日常を大切に(動画あり)

奉献曲「みこころに生きる」の調べに合わせ、全国の青年女子部員22人による奉献の儀が行われた

立正佼成会を創立した庭野日敬開祖の生誕を祝うとともに、その遺徳をかみしめ、世界平和の実現に向けて菩薩行実践の誓いを新たにする「開祖さま生誕会」が11月15日、大聖堂(東京・杉並区)はじめ全国各教会で開催された。大聖堂には、会員約1300人が参集。式典の様子はインターネットを通じてライブ配信(会員限定)された。

聖壇上で読経供養を行う庭野会長

式典は、東京佼成ウインドオーケストラの演奏と佼成合唱団によるコーラスに合わせ、全国の青年女子部員代表22人による奉献の儀で開幕した。庭野光祥次代会長を導師に読経供養が行われ、庭野日鑛会長が「啓白文」を奏上。「人を救い、世を立て直したい」との願いで本会を創立し、法華経の広宣流布に尽力した庭野開祖の人生に触れ、元気で生き生きと大乗菩薩道を歩むことを誓願した。

次いで、教団を代表して國富敬二理事長があいさつに立ち、11月15日の意義について詳述。78年前のこの日に、庭野開祖が「久遠実成大恩教主釈迦牟尼世尊」を勧請したことは、会員一人ひとりが縁ある人を幸せにするための菩薩行実践を決意する意味があると述べた。その上で、釈尊が説いた正しい仏教の在り方を社会に打ち出す使命を果たすため、「会長先生に負けないように、生き生きと仏道を歩みたい」と語った。また、今年次をもって理事長の役を退くことを報告し、庭野会長をはじめ世界中の会員たちに感謝の思いを伝えた。

続いて、千葉教会学生部長(31)が体験説法。幼い頃から、鼓笛隊や教会活動でせわしない週末を過ごし、高校卒業後には、専門学校とアルバイトの多忙さを理由に教会活動から離れた。その後、就職など人生の分岐点で心配してくれるサンガ(教えの仲間)の温かさに救われ、教会に再び足を運ぶようになった経緯を振り返った。

当日の様子(クリックして動画再生)

また、学校を休みがちな学生部員のAさんとの触れ合いに言及。オンライン行事に一緒に参加したことで、自信を持てたAさんが学校に通い出す姿を目にし、相手の仏性を輝かせる一助になれた喜びを語った。その上で、今年、「教師」資格を取得したことに触れ、信仰を継承してきた家族への感謝を胸に、「自立した一人の信仰者として、人を信頼し、人から信頼される自分になり、人と積極的につながっていきます」とさらなる精進を誓った。

法話に立った庭野会長は、戦前の日本の学校教育で使われていた教科書に出てくる「日本ノ國」の一節を引用し、愛国心を持つことの大切さを説示した。一方で、今の日本には若い人たちが自分の国に自信が持てない現実があると話し、青少年がしっかりとした人生を歩むためには、私たち一人ひとりが法華経を通して日本を立派な国にしていき、それを世界の平和に結びつけていくことが大事と語った。

また、月刊誌「致知」に掲載された「生涯修業」という記事や、二宮尊徳翁の父母を題材にした歌、金子みすゞの詩を紹介しながら、今の自分は、無数のいのちに支えられた神秘的ないのちであると明示。多くの先祖から連綿とつながる自身を尊び、敬うとともに、花が開くありさまなど当たり前に思える何げない日常を不思議だと感じる精神を大切にして精進する重要性を説いた。その上で、元気に過ごすには、人さまのために働くことが肝心だと述べた。