「クリスマスはパレスチナ紛争の犠牲者に哀悼を――ヨルダンのキリスト教指導者」など海外の宗教ニュース(海外通信・バチカン支局)

クリスマスはパレスチナ紛争の犠牲者に哀悼を――ヨルダンのキリスト教指導者

ヨルダンの「キリスト教指導者評議会」は11月2日、「ガザ地区とパレスチナ全土で亡くなった無実の人々の犠牲と流血に対する哀悼を表明」するため、現在のパレスチナ自治区ベツレヘムで生まれたキリストの降誕祭(クリスマス)に際する全ての祝賀行事を中止し、祈りと教会行事に限定するよう信徒たちに呼びかけた。

同国のキリスト教指導者たちは、「ガザ地区を含むパレスチナ全土で展開されている無実の人々の流血惨事」「パレスチナ人の慟哭(どうこく)、飢え、渇きだけでなく、(イスラエル軍による)住居や学校、病院、教会、モスク(イスラームの礼拝所)に対する空爆や砲撃」「無能な国際社会の眼前で展開されているガザ市民の強制移住」といった惨状を訴え、イスラエルによる攻撃を「野蛮行為」「人類に対する攻撃」「国際法違反」として、「最も厳しく、最も強い言葉」で非難した。

さらに、アブドッラー二世国王を中心とするヨルダン政府による「世界情勢についての真理(特に、パレスチナ人に対する正義)を求める声」「戦争の轟音(ごうおん)を停止させる努力」を評価。「人道的、政治的な(イスラエル人とパレスチナ人を差別する)二重構造の思考法を持たない、自由なアラブ世界と国際社会」の実現を願うと述べた。

また、12月に迫るクリスマスに関して、「バザー、音楽イベント、子供たちのプレゼント交換、イルミネーションなどの装飾を自粛し、ガザ地区で殉教した無実の人々の犠牲と流血に対する悲哀を表明するように」と呼びかけた。

【次ページ:COP28に提言する世界の諸宗教指導者】