日中平和友好条約締結から45年 中国佛教協会の訪日代表団が来会
1978年に日中平和友好条約が締結されてから今年で45周年を迎えることから、6月5日から9日まで、国内で記念行事が開催された。これに合わせ、中国佛教協会の宗性副会長(四川省文殊院住職)を団長とする代表団の18人が来日した6月4日、立正佼成会本部(東京・杉並区)を訪問した。
一行は大聖堂6階の礼拝席で御本尊を拝観。本会スタッフから大聖堂の建築様式に込めた庭野日敬開祖の願いなどについて説明を受けた後、応接室で和田惠久巳総務部部長と懇談した。佐原透修次長(渉外グループ)、柿澤伸光同次長が同席した。
懇談の中で宗性副会長は、同協会や中国宗教者和平委員会(CCRP)の会長を務めた趙樸初師と庭野開祖との友情に敬意を払い、来日して最初の訪問先を本会に決めたと語った。
また、1987年8月、「比叡山宗教サミット」の開催後、趙樸初師、山田惠諦第二百五十三世天台座主、庭野開祖が長野・穂高(現・安曇野市)の本会施設に滞在した際、三師が日中友好の促進を願い、コブシ、サクラ、ナナカマドを植樹したことに言及。このエピソードは、両国の仏教界の友好を象徴するものとして、現在も同協会で語り継がれていると述べた。その上で、「両国の仏教界が交流を重ねてきたことで、今は花が咲くだけでなく、その幹までもしっかりと成長しています。先人たちが培ってきた友情を引き継ぎ、互いに手を携えて、さらに大きな花にしていこうではありませんか」と力を込めた。
翌6月5日には、中国文化センター(東京・港区)で「黄檗(おうばく)花開四時春――中日平和友好条約締結45周年記念 黄檗芸術展」(5~9日)の開幕式が行われた。佐原次長、開祖顕彰資料室の佐藤晃子主幹が出席した。同芸術展は、両国の高僧らによる書画を通じ、仏法を縁として互いに切磋琢磨(せっさたくま)を重ねた日中の交流の歴史を振り返るもの。本会から庭野開祖の墨蹟(ぼくせき)「清浄観」が貸し出され、公開された。
さらに6日、ドキュメンタリー映像作品『日本・中国の架け橋 趙樸初』の上映イベントが京都市内のホテルで開催され、本会から佐藤益弘常務理事が出席した。同作品内では、庭野日鑛会長が在りし日の趙樸初師を語る場面も収められている。上映後に行われた座談会でスピーチに立った佐藤常務理事は、庭野開祖の命を受けて24日間、趙樸初師の日本滞在に随行した体験を述懐。趙樸初師の衣食をじかに目にし、「『清貧』の言葉そのものの日常を過ごされているのだと実感しました」と語った。