国連WFP協会から本会に感謝状贈呈 トルコ・シリア地震被害に対する一食平和基金による緊急支援を受けて

国連WFP協会の鈴木邦夫事務局長(写真中央)と、4月1日付で事務局長に就任する青木創ゼネラルマネジャー(左)、中村記子習学部部長

3月20日、NPO法人の国際連合世界食糧計画WFP協会(国連WFP協会)から立正佼成会に感謝状が贈呈された。2月上旬に発生したトルコ・シリア大地震を受け、本会一食(いちじき)平和基金運営委員会が、現地で支援活動を行う国連WFPに1000万円を寄託したことに対するもの。当日は、国連WFP協会の鈴木邦夫事務局長と、4月1日付で事務局長に就任する青木創ゼネラルマネジャーが本会を訪れ、同基金運営委副委員長の中村記子習学部部長に感謝状を手渡した。

トルコ南部のシリア国境近くで2月6日に発生した地震(マグニチュード7.8)と、その後の大きな揺れによって、両国は甚大な被害に見舞われた。被災地域に入って救援活動を行う国連WFPの資金協力の要請に応え、本会は「一食を捧げる運動」による基金の中から1000万円を寄託した。

国連WFPの報告(3月13日付)によると、トルコでは被災者910万人のうち、トルコ人と同国に避難しているシリア難民を合わせた97万3000人に温かい食事や家庭用食料セットを提供。また、移民管理庁とトルコ赤新月社と連携して6カ所の難民キャンプで、約1万8000世帯を対象に電子食料引換券の配布も始めた。

12年間内戦状態にあるシリアでは、地震の被災者が880万人に上る中、220万人に国連WFPの支援が届いている。

そのうち、反体制派が支配する同国北西部では、国連WFPが地震前から行っていたトルコからの支援ルートを使って食料などを輸送。現在はルートを1本から3本に拡充し活動を続けている。

本会からの支援金は、両国でのこうした援助活動に役立てられている。

懇談では、鈴木事務局長がシリアの被災状況を撮影した動画を見せながら、支援活動について説明した

3月20日に本会事務庁舎(東京・杉並区)で行われた懇談では、鈴木事務局長が、主にシリアの状況と活動を説明。また、国連WFPは国連やその他支援団体の物流を担っていることを紹介し、「緊急事態の際は、例えばユニセフによる安全な水、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)のテント、WHO(世界保健機関)からの医療器具なども運んでいます」と話した。その上で、本会の協力に触れ、「私たちの活動を理解し、早々にご協力くださったことに改めて深く感謝申し上げます」と謝意を表した。

なお、本会は、国連WFPがミャンマーで行っている学校給食支援にも協力している。

本会会員にメッセージ

鈴木事務局長

「不幸中の幸いと言えるか分かりませんが、国連WFPは地震前からシリア避難民の支援に当たっていたため、地震後すぐに被災地に入り、救援活動を立ち上げることができました。それに対し、佼成会の皆さまが、早々にお心と支援を寄せてくださったことに心から感謝申し上げます。被災地には内戦状態のエリアも含まれており、支援が難しい状況もありますが、国連WFPは支援物資を輸送し、皆さまの温かいお気持ちも一緒に届けるようにしています。引き続きご協力をお願いします」

青木新事務局長

「自然災害の復興には、非常に長い時間がかかります。発生から間もない頃は注目されるのですが、時間とともに関心が薄れてしまいがちです。復興までの長い道のりに、お心を寄せて頂ければ幸いです。皆さまからのご支援は、多くの人の未来につながっています。学校給食支援などは、子どもたちの現在の健康を保つと同時に、就学率を高めて人を育成することに直結しています。まさにその国の未来につながるものです。より良い未来をつくるという取り組みを一緒に進めていければと願っています」