新たに出会う人々との“つながり”が自らの原動力に 関東教区大学生青梅練成会

青空の下で法座を行う青年たち。出会いに感謝し、触れ合いで得た学びや今後の抱負を語り合った

立正佼成会の青梅練成道場(東京・青梅市)の受け入れ再開に先駆け、行事の試験実施に名乗りを上げたのは、関東教区だ。コロナ禍前まで毎年練成会を実施してきたが、活動自粛で休止を余儀なくされていた。今年に入り、イベント開催の制限など、都の対策が緩和されるとともに、道場再開に向けた一報を聞き、野外に限定しての開催を決めた。

3月19日、青梅練成道場に大学生、専門学校生、今春の入学予定者など113人が集った。第10回となった「関東教区大学生青梅練成会」のテーマは『Engine to start~スタートするための原動力みーつけた!!~』。

それぞれの班長は、参加者に明るく声をかけた ※クリックして拡大

当日は、深田伊佐夫道場長のあいさつに続き、メインプログラム「Engine to start」が行われた。このプログラムには、新生活に向けて不安や悩みを抱える中で、仲間との出会いや触れ合いを通して、今後の生活の原動力を見つけてもらいたいとの願いが込められている。参加者は20の班に分かれて51のミッションに挑み、点数を競いながら交流を深めた。

この後、班ごとの法座では、さまざまな人との触れ合いで得た気づきや喜びを語り合った。

期待と不安を抱えて集った学生たち

温かい日差しが降り注ぐ会場に、期待と不安が入り交じった表情の青年たちが集った。参加者の中には、「オンラインの行事しか経験したことがない」「初めて青梅練成道場に来た」という人も。それは実行委員たちも同様だった。

大船教会学生部員の女性(21)は実行委員の一人。大人数が対面で行うプログラムの考案に苦心しながら、〈新たな世界に飛び立つ仲間の背中を押せるように〉と願い、対面やオンラインで会議を重ね、当日を迎えた。「法座の中で、みんなの喜びの声や前向きな思いが聞けてうれしかったです。コロナ禍を経験したからこそ、直接会って語り合うことの喜びや大切さを再確認できました」。

ありのままの自分を受け入れてくれた仲間

初めて青梅練成道場を訪れたという沼田教会学生部員の女性(18)は、人付き合いに不安を抱えていた。しかし、プログラムが始まると、すぐにその不安な気持ちが晴れた。優しく話しかけてくれる班員たちの心遣いに、安心して心を開くことができ、居心地の良さを感じられたからだ。Aさんは、紙飛行機に「なりたい自分」を書いて飛ばすミッションの中で、思わず歌を口ずさむほど緊張が解け、一瞬一瞬を思い切り楽しむことができた。「初対面の人とも会話ができる自分に気づいたこと、素の自分を受け入れてもらえたことで、『大学生活が始まっても、私だったらうまくやれるかも』という自信が湧きました」とAさん。班員との別れを惜しみつつ、青梅練成道場を後にした。

班員との触れ合いを通して自分を知る

芝生の上に集まった参加者たちが、班ごとに輪になって座る。プログラムを通して打ち解けたことで、自然と法座が始まった。ゆっくりと口を開いたのは、湘南教会学生部員の男性(18)。周囲と良い関係を築いて、つながりをつくれる自分になりたいとの思いで参加したと明かした。「口数を増やそうと思ったけど、うまくできずに残念だった」。男性の言葉に、班員たちは口々に「全然話せていたよ!」と返し、みんなでほほ笑み合った。「自分を見つめ直す良いきっかけになりました。また参加したいです」。男性の表情は活力に満ちていた。

コロナ禍で感じた、対面できる有り難さ

久々の再会を喜んだのは、3年前の第7回練成会の実行委員たち。コロナ禍の影響で開催できなかった悔しさを胸に、今回の練成会に参加した。当時、実行委員長を務めた宇都宮教会学生部員の男性(22)は、〈こうして一日だけでも、みんなと会える機会を頂けた〉と感謝をかみしめ、多くの人とのつながりを感じられ、支えられている自分に改めて気づけたという。「たくさんの支えのおかげさまで今の自分がいるのだと思えました。卒業後も頑張っていこうと思います」と笑顔を浮かべた。