中央学術研究所から『大乗仏典思想叢書』第6号、第7号が発刊 仏典の理解深め 仏教思想研究発展に寄与

中央学術研究所では、仏教経典の解読や研究の一助として広く活用されることを目的に『大乗仏典思想叢書』をウェブサイトで公開している

立正佼成会中央学術研究所はこのほど、『妙法蓮華経』の原典(底本)研究に資する『Philosophica Mahāyāna Buddhica Monograph Series(大乗仏典思想叢書=そうしょ=)』の第6号『梵文(ぼんぶん)法華経「ケルン・南條校訂本」ローマ字本・脚注補完 第1分冊』および、第7号『初期仏典・マハーヴァスツ・ラリタヴィスタラ―並行・類似詩脚索引―』の2点を発刊した。第6号は同研究所学術研究室の西康友主幹が、第7号は西主幹と同研究所の黛千洋特別研究員が編纂(へんさん)した。

同研究所は、法華経を中心とした大乗仏典の内容を解き明かし、仏教思想研究の発展に寄与することを目的に、アジア圏の諸思想や宗教聖典への文献学的研究の基盤整備として初期仏典、ジャイナ教典および文学、初期大乗仏典の語彙(ごい)・詩脚索引やミャンマー所蔵写本カタログなど、これまで全41点を発行してきた。

新たに発刊された第6号は、梵文法華経研究の標準・基準テキストである『ケルン・南條本』の脚注を補完したもの。『ケルン・南條本』は複数の写本を用いて編纂された初の梵文法華経校訂本だが、編纂・校訂方法に多くの不備がある。本書はこの不備を補うもので、今後の梵文法華経研究や梵文法華経写本を用いた校訂本編纂のために必要不可欠な資料となる。第7号は、主要な初期仏典と仏伝文学『マハーヴァスツ・アヴァダーナ』『ラリタヴィスタラ』の詩脚がどの程度類似するかを明示したもので、初期仏典以降に編纂された法華経を含む初期大乗仏典がどの初期仏典を引用・参照したのかを探る手掛かりとして期待される。

また両号の発刊は、西主幹が文部科学省の外郭団体「日本学術振興会」から助成を受けた指定研究課題「梵文法華経諸問題解明のための基盤テキスト構築『ケルン南條本』校訂へ向けて」に関連した最も主要な成果となっている。

同研究所では、同叢書が広く活用されることを願い、ウェブサイトで全ページを世界へ向けて公開している。PDF版は以下のURLから入手できる。

https://www.cari-saddharmapundarika.com/philosophica