庭野会長が「釈迦牟尼仏ご命日(布薩の日)」式典で法話 日々学びと実践による成長を
立正佼成会の「釈迦牟尼仏ご命日(布薩=ふさつ=の日)」式典が昨年12月15日、大聖堂(東京・杉並区)で行われた。杉並、中野両教会の会員が新型コロナウイルスの感染防止策を施して参加したほか、式典の模様がインターネットでライブ配信(会員限定)された。
式典では庭野光祥次代会長を導師に読経供養が行われた。次いで、佼成育子園の田中基之園長が体験説法に立った。
田中園長は、高校1年生で参加した七面山練成を機に、青年部活動に携わるようになった学生時代を述懐。大学3年生で青梅練成会に参加し、研修や法座、サンガ(教えの仲間)との寝る間を惜しんでの語り合いを通して、何不自由なく暮らせることの尊さに気づき、両親にサンゲと感謝の思いを深めた体験を詳述した。
また、入職後に教務員として九州の地で約5年間、教区長の助言を受けながら法華経の実践に努め、「菩薩としての修行」に励んだことを振り返った。
佼成育子園の園長を務める現在は、園児との触れ合いから仏性礼拝(らいはい)の大切さを学んでいると紹介。即是道場(そくぜどうじょう)の精神を心がけ、子供たちが生き生きと人生を歩む縁になれるよう、さらなる精進を誓った。
この後、庭野会長が登壇し、法話を述べた。この中で庭野会長は、「信仰する」とは本当の人間になるために日々、学びと実践を繰り返すことと説明。フランスの詩人アナトール・フランスの「正直とか、親切とか、友情とか、そのような普通の道徳を堅固に守る人こそ、真の偉大なる人間といえるのである」との格言を紹介し、学びと実践の習慣化によって、しっかりとした人間に成長する大切さを説示した。
さらに、「令和五年次の方針」で示した元気で生き生きと精進する重要性を説きながら、人間の心の持ち方に言及した。人間の心は、大自然の働きと生命の進化によって生まれ、創造的に文明を開いてきたものの、現在は自然との隔たりが大きくなったことで自然の猛威にさらされ、生命が脅かされている状況にあると指摘。人間としての正しい心を働かせ、元気で生きていける環境を整えることも、人間の役割と明示した。
また、「一日は人生の縮図」と説き、充実した人生を過ごすためには、毎日を精いっぱい生きる努力が重要と強調。「皆さまと共にこれからも、一日一日を精進させて頂きたい」と語った。