菩薩行実践誓う「成道会」 釈尊が悟りを開いた意義をかみしめ精進を (動画あり)

庭野会長は法話の中で、「仏と同じ性質を具えていることを自覚し、精進してまいりましょう」と説いた

仏教三大行事の一つで、釈尊が悟りを開いた意義をかみしめ、報恩感謝の心で菩薩行実践の決意を誓う立正佼成会の「成道会」が12月8日、大聖堂(東京・杉並区)で挙行された。杉並、中野の両教会と、説法者の所属する足立教会の会員らが、新型コロナウイルスの感染防止策を施して参集したほか、式典の様子はインターネットでライブ配信(会員限定)された。庭野日鑛会長が法話に立ち、仏と同じ智慧(ちえ)、徳相、慈悲を磨き出すために修行精進する尊さを説いた。

式典では、釈尊成道の意義を解説する映像作品の上映に続き、読経供養を厳修。導師をつとめた庭野光祥次代会長が庭野日鑛会長の「啓白文」を奏上した。

次いで、足立教会支部長(63)が体験説法を行った。支部長は、一昨年から大病を患う長女の闘病生活を回想。清永智久教会長から、「先の事ばかり考えず、今、仏さまから護(まも)られている喜びを味わい、娘さんの思いをたくさん聞いて差し上げてください」と助言され、娘に心から寄り添う中で、両親から自身に注がれた深い愛情に気づき、感謝の言葉を伝えることができたと語った。

また、義父の急逝を機に、独身時代と変わらぬ自由気ままな生活を続けていた夫が、家事を手伝うなど、家庭を大事にするようになったことを紹介。夫に優しく触れ合いたいと思っても、意地を張って素直になれなかった自己中心な自分を見つめ直し、今後は夫の心に寄り添い、両親から受け継いだ尊い教えを子供に伝え、支部サンガ(教えの仲間)と心を合わせて青少年育成に力を注ぎたいと誓った。

法話に立った庭野会長は、冒頭、西式健康法創始者の西勝造氏の「合掌は神に通ず」との言葉を紹介し、互いに合掌し合うところに平和が訪れると示した。

式典の様子(クリックして動画再生)

続いて、成道の意義に言及。「仏の大悟(たいご)とは、生きとし生けるもの全てが仏と同じ智慧、徳分、慈悲を具(そな)えていると目覚めたこと」と教示し、「苦労は慈悲心を引き出す縁です。仏と同じ性質を具えていることを自覚し、仏の教えに帰依し、精進してまいりましょう」と述べた。

さらに、物事の捉え方には悲観論と楽観論があることを伝えながら、『心地観経(しんじかんぎょう)』に記された「悲母の恩」の尊さに触れ、悲観論の重要性を説示。「仏教の極意である慈悲とは、悲しむこと。それは人のために、本当に心配することであり、悲しむことが世の中を良くしていく力になるのです」と説いた。

また、12月は本会が新年次のスタートを切る節目と指摘。今秋に開催されたサッカーワールドカップで、ベスト16に進んだ日本代表の話題を挙げ、「日本の活躍によって元気を頂きました。来年は、皆さんと共に、元気で生き生きと精進してまいりたいと思います」と話した。

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