フィリピン・モンテンルパ日本人墓地休憩所の修繕工事が完了 現地で記念碑の設置式

休憩所で行われた記念碑の設置式。焼失から4年を経て、再び平和の祈りが捧げられた(青年ネットワークグループ提供)

立正佼成会が建設したフィリピンのモンテンルパ日本人墓地休憩所でこのほど、大規模な修繕工事が完了した。10月29日、記念碑の設置式が現地で行われた。

同墓地は、太平洋戦争後にフィリピンで戦犯として死刑となった日本人捕虜が埋葬されている。1973年、本会の「第1回青年の船」参加者が慰霊訪問したことを機に、経年劣化で荒廃した同地を墓地公園として再整備しようと、帰国した参加者の呼びかけで募金活動が展開された。この取り組みがきっかけとなり、一食(いちじき)平和基金の創設につながった。

この時設置された休憩所は、多くの青年部員や訪問者が平和の祈りを捧げる場となっていたが、2018年に火災で焼失。青年ネットワークグループは、一食平和基金の拠出を受けて修繕を進めた。

新しい休憩所には、防火対策で屋根や柱を撤去した代わりに、庭野日敬開祖が描いた観世音菩薩の仏画などの陶板を設置し、“聖なる場所”を表現した。

日比友好と平和の架け橋に

記念碑の設置式は、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて延期されていたが、焼失から4年を経て実現。東靖憲西日本教区長(元一食平和基金運営委員長)、西由江習学部次長(青年ネットワークグループ)らが現地を訪れ、地域住民や、墓地を管理する刑務所の職員などが見守る中、3枚の陶板を記念碑として設置し、読経供養を厳修した。

翌30日には、一昨年12月に同基金の支援で新築されたバターン図書館・青少年人材育成センター(BLYDC)を訪問した。

こうした活動を受けて、中村記子習学部部長は、「これからは、日本人墓地を訪れる方のための休憩所としての場から、日比の青年はもとより、世界中の青年の間に友情の橋を架け、平和をつくるために協力し合うことを誓い合う場となることを願っています」と語った。