『ゴミ問題を考える』テーマに 明るい社会づくり運動によるオンライン講演会

ごみ収集現場の現状を語る滝沢氏。環境問題は人々の日常から生じており、一人ひとりが意識を変える重要性を訴えた(「Zoom」の画面)

立正佼成会が協力団体として参画するNPO法人明るい社会づくり運動(明社)による講演会が11月5日、オンラインで開催された。テーマは『ゴミ問題を考える――どうしたらゴミを減らせるか』。全国の運営会員や賛助会員ら55人が参加した。

当日は、ごみ収集会社の清掃員をしながら、お笑いコンビ「マシンガンズ」として活動する滝沢秀一氏が講演した。この中で滝沢氏は、捨てられたごみや集積所の様子を写真で紹介しながら、「ごみは生活の縮図を表していて、嘘(うそ)をつかない」と説明。一般的な住宅地に比べて、いわゆる高級住宅地と呼ばれる地域ではごみの量は少なく、分別も丁寧にされているなど、ごみの収集現場の実情を詳述した。

また、食品ロス問題にも言及。日本の年間の食品廃棄量は、飢餓に苦しむ世界の人々に対する国連世界食糧計画(国連WFP)の食料支援量(約420万トン)より約100万トンも多いことを説明し、その要因として、食品産業の見込み発注や生産、家庭での買い過ぎ、作り過ぎを挙げた。

その上で、一般廃棄物の焼却灰などを埋め立てる全国の最終処分場が、およそ20年で満杯になるとの試算を提示。ごみ問題の解決に向け、リデュース(Reduce=物を大切に使ってごみを減らす)、リユース(Reuse=不要な物を譲り合うなどして繰り返し使う)、リサイクル(Recycle=使い終わった物は正しく分別して再資源化する)という3Rの重要性を強調した。

さらに、もう一つのRとして「Respect(リスペクト)」を提案し、「最初からごみとしてこの世に生まれてくる物は一つもなく、物がごみになるかどうかは自分の意識次第です。物や食品に対し、それを作っている目に見えない存在にまで思いやりとリスペクトの気持ちを持つことで、環境問題は改善していく」と語った。

この後、参加者との質疑応答が行われた。