『平和の叫び』テーマに 聖エジディオ共同体主催 第36回世界宗教者平和のための祈りの集い

集いの中で、赤川国際伝道部部長は『宗教・対話・平和』をテーマにしたフォーラム(24日)に登壇し、庭野日敬開祖の平和観を紹介しながら宗教者による対話の大切さを訴えた

聖エジディオ共同体(カトリック在家運動体=本部・ローマ)主催の「第36回世界宗教者平和のための祈りの集い」が10月23日から25日まで、イタリア・ローマ市内の諸施設で開催された。全体テーマは『平和の叫び』。立正佼成会から庭野光祥次代会長の名代として赤川惠一国際伝道部部長が出席。国内から佐原透修総務部次長(渉外グループ)、現地から水藻克年ローマセンター長らが同行した。

23日の開会式では、同共同体創設者のアンドレア・リカルディ教授をはじめ各国大統領など7人が登壇し、開会のあいさつや発題を行った。この中で、同共同体メンバーとしてウクライナで活動するオルガ・マッカール氏が、ロシアの侵攻を受ける祖国の窮状を訴えた。マッカール氏は、首都キーウにある同共同体のセンターがミサイルの破片で破壊された体験や、ハルキウ州イジュームで知人らが避難していた地下室が砲撃に遭い、50人以上の尊い命が失われたことなどを述懐。その上で、戦闘が行われたキーウ郊外のイルピンで紛争の影響を強く受けている子供たちの未来のため、「平和の学校」の活動をスタートさせたと話し、「家や街が壊されても、夢は壊せない」と力説した。

「無意識の偏見」なくす重要性を訴え

24日から25日に開かれた三つのフォーラムでは、赤川部長が『宗教・対話・平和』をテーマにしたセッションで、ローマセンターの水藻佑佳スタッフが『メディア、社会、そして平和の叫びに』と題したセッションでそれぞれスピーチ。この中で水藻スタッフは、法華経の「八正道」の教えを基に「無意識の偏見」を取り除く重要性を主張。崩壊の一途をたどる国や人々を結びつけるために、宗教者とメディアが欲や名声にとらわれず協力しなければならないと訴えた。

閉会式を前に、各宗教の祈りの時間がもたれた。日本仏教はローマ市内のサングレゴリオマグノアルセリオ教会で「世界平和祈願法要」を厳修。天台宗宗機顧問の西郊良光師が導師を務め、赤川部長が式衆として参列した。

また、集いへの参加に先立ち、赤川部長ら一行は22日に主催団体である聖エジディオ共同体本部を訪問。アルベルト・クワトルッチ渉外責任者と面会した。同共同体は、本会が実施した「ウクライナ緊急支援募金」で会員から寄せられた献金(500万円)の拠出先の一つ。同共同体がウクライナをはじめ近隣諸国で行う避難民支援の実情や、資金の活用状況などの説明を受けた。