仏法を学び、実践する根本は「斉家」 庭野会長が「釈迦牟尼仏ご命日(布薩の日)」式典で法話

法話に立った庭野会長は、仏の教えを実践し、体得して本当の自分に気づくことが大事と述べた

立正佼成会の「釈迦牟尼仏ご命日(布薩=ふさつ=の日)」式典が10月15日、東京・杉並区の大聖堂で挙行され、庭野日鑛会長が法話を述べた。式典の様子は、インターネットを通して全国の会員にライブ配信された。

式典では、庭野光祥次代会長を導師に読経供養が行われた後、久保木伸浩高崎教会長が体験説法に立った。

久保木教会長は、2011年に入職し、福島支教区に赴任した後、「心に本仏を勧請する」という庭野日敬開祖の法話を胸に刻み、東日本大震災で被災した会員との関わりに心を尽くした体験を述懐。14年に原町教会長を拝命後も、原発事故により県内外で避難生活を送る会員宅を訪れて読経供養を行うなど、サンガ(教えの仲間)と共に教えの実践に努められた喜びを語った。

また、他界した父親が遺(のこ)した「方程式」という言葉を通し、日常を縁起の教えに照らして省みることを改めて肝に銘じていると述べた。現在、高崎教会長として、全ての縁から学ぶ姿勢を心がけており、「信者さんの今の心をありのままに認める」ことを大切にし、精進していきたいと誓願した。

庭野会長は法話で、古代ローマの哲学者・セネカの言葉や、中国の古典『大学』の一節を紹介。自由な時間を多く持つ人間は悪いことを考えがちだと伝える語句が洋の東西にあると説明し、時間を善く使おうと心がけることが大切と述べた。

また、江戸時代の儒学者である佐藤一斎が『言志四録(げんししろく)』に記した「少にして学べば、即ち壮にして為すこと有り 壮にして学べば、即ち老いて衰えず 老にして学べば、即ち死して朽ちず」との言葉を引用。休むことなく学び続けることが人間の一生であると示し、「仏さまの教えを学んで、身につけて、実践していくことで、信仰の有り難い功徳を頂ける」と説いた。

さらに、仏法を学び、実践する根本は「斉家(せいか。家庭を斉=ととの=えること)」に尽きると説示し、それぞれが家庭を平和にしていくことで、社会、国、世界の安寧につながっていくと述べた。