本会一食平和基金 アフガニスタンでの人道危機に対し340万円を追加拠出

浄財は、子供たちが紛争で負った心の傷を癒やす活動などに充てられる(写真はともに平和村ユナイテッド提供)

アフガニスタンの政変から1年以上が経った今も国内の混乱は続き、貧困や飢餓の状況がより深刻化している。こうした事態を受け、立正佼成会一食(いちじき)平和基金運営委員会はこのほど、同国の人道危機に対し、340万円の追加拠出を発表した。

昨年8月以降、同国では、極めて保守的なイスラーム主義を掲げる勢力「タリバン」による政権の支配が続いている。国際社会からの制裁の影響で経済は極度に悪化し、失業者などの生活困窮者が激増。長引く干ばつによる食料不足も重なり、かつてない水準の飢餓が発生して人々の命が脅かされている。

また、社会情勢は依然として不安定な状態が続き、さまざまな武装勢力による戦闘や自爆攻撃だけでなく、市民による窃盗や殺人などの事件も頻発。治安は悪化の一途をたどっている。同政権下では女性の教育や就労の機会が著しく制限され、夫を戦闘で亡くした女性やその家族の家計は非常に厳しく、子供が人身売買や児童婚、強制結婚などの対象となるケースが後を絶たない。

同国で紛争や政変の影響を受ける子供への食料支援や平和教育などの活動に従事する一般社団法人平和村ユナイテッドは、親を亡くして親戚に引き取られ、極度の貧困を理由に虐待を受ける子供のほか、家族や友人など身近な人の死を目撃して心的外傷を抱える子供が多くいると報告。暴力の連鎖を根絶して平和な社会を築くためには、次世代を担う子供たちへの緊急的な生活支援や、長期的視点に立った精神的なサポートを継続して行う必要があると訴えた。

こうした要望を受け、一食平和基金運営委は同団体に340万円の寄託を決定。同国東部ナンガルハル州パチラガム郡で、戦闘で親を亡くした子供100人(同基金の協力で昨年10月から今年2月にかけて支援した子供150人とは別)に、食料を購入するための現金を支給するとともに、安心できる居場所を提供する。さらに、平和教育などを行うピースセンターの運営を通じて子供たちの精神的なサポートを支援する。

ピースセンターでは非暴力の大切さを学ぶ平和教育が行われている