WCRP日本委 新理事長に戸松義晴師

2期4年の任期を終えた植松理事長(写真左)。戸松師(同右)が理事長に就任した

世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会は9月13日、立正佼成会の京都普門館で記者会見を開き、同日に行われた「第41回理事会」で、戸松義晴・浄土宗心光院住職(浄土宗総合研究所副所長)が新理事長に選任されたことを発表した。植松誠理事長(日本聖公会主教)、戸松師、篠原祥哲事務局長が出席し、一般紙や宗教紙8社が集った。

記者会見では冒頭、篠原事務局長が任期満了に伴う役員改選について説明。植松理事長の後任に、戸松師が満場一致で新理事長に選任されたことを報告した。

続いて植松理事長が退任のあいさつを述べた。植松理事長は、日本聖公会の首座主教に就いた2006年から16年にわたって同日本委の理事(18年からは理事長)を務めた日々を振り返り、他宗教の指導者と触れ合う中で、自身の信仰を見つめ直す機縁になったと紹介。どの宗教にも根底には平和を希求する精神があることを再認識するとともに、平和こそが宗教者の存在意義で最も重要なことと述べ、「新理事長のもとで、平和をつくり出す大事な活動が継続されていく大きな希望をつなげたことに喜びを感じている」と語った。

新理事長に就任した戸松師は1953年、東京都に生まれた。慶應義塾大学、大正大学大学院を経て、ハーバード大学大学院神学校で神学修士号を取得。93年から浄土宗心光院住職を務め、全日本仏教会(全日仏)理事長、日本宗教連盟(日宗連)理事長などを歴任した。今年6月からはWCRP/RfP日本委の理事を務めている。

記者会見で戸松師は、宗教者は世界の諸問題解決に向け、「安全なところで祈りを捧げているだけ」と指摘されることもあるが、WCRP/RfPはさまざまな問題に対して具体的な活動を行っていると説明。宗教者は悩み苦しむ人々と触れ合い、手を差し伸べていくことが大切と強調した上で、「宗教者が一人の人間として多くの人の喜びや悲しみに寄り添っていけるよう、現場性を大事にしていきたい」と所信を表明した。