庭野会長「朔日参り(布薩の日)」式典で法話 心を込めて精進を重ね
立正佼成会の「朔日(ついたち)参り(布薩=ふさつ=の日)」式典が9月1日、大聖堂(東京・杉並区)で行われ、庭野日鑛会長が法話を述べた。式典の様子は、インターネットを通じて全国の会員にライブ配信された。
式典では、庭野光祥次代会長を導師に読経供養が行われた後、西多摩教会のⅠ支部長(56)が体験説法に立った。Ⅰさんは就職後、職場の人間関係や体調不良に悩んだ時、母親やサンガ(教えの仲間)の勧めで『法華三部経』を読誦(どくじゅ)し、自身が「生かされているいのち」だと気づいた体験を述懐。その後、教会活動に参加して教えを学び、感謝の思いと柔軟な心で人と触れ合えるようになった喜びを語った。
また、結婚後にうつ病を患った夫の闘病生活を10年間支え続けた過去を吐露。回復した夫からねぎらいの言葉もなく、悔しさを感じていたが、当時の支部長から「Ⅰさんのためにご主人は病気をしてくれた」と教えられ、夫の病気は、自分の我(が)の強さに気づく仏のサインだと受けとめられた功徳を述べた。
現在は支部長として、コロナ禍の中、サンガの善き縁になるよう念じながら電話での触れ合いに努めていると発表。今後も家庭や教会で「目の前の人に心を向ける」ことを大事に精進すると誓った。
法話に立った庭野会長は、人間として最も大切なことは「元気であること」と明示。菩薩行の一つである布施には、人に物を施して恵むとの意味があるが、「元気で精進ができる」こと自体がすでに大きな布施であり、自身が健康に過ごしながら人のために行動できることは、非常に有り難いものであると述べた。
また、一休禅師の「極楽は西とは言えど東にも きた道探せばみんなみにある(皆、身にある)」という歌を紹介し、仏の教えに照らして自らを省みながら生活する大切さを述べた。
さらに、一人ひとりの力は小さくても、自分の人格を磨き、周囲に良い影響を与えることが大事と強調。「協力して家をととのえ、また社会をととのえ、職場をととのえていく」ことで世界の平和が築かれるとし、普段から一日一日を真剣に生き、湧き起こる怒りの感情が消えていくように心を込めて精進を重ねる重要性を説いた。