比叡山宗教サミット35周年記念 「世界宗教者平和の祈りの集い」 平和への歩みを未来につないで

比叡山上で行われた「世界平和祈りの式典」では、諸宗教の代表者が登壇し、「平和の鐘」の鐘打に合わせて祈りを捧げた

比叡山宗教サミット35周年記念「世界宗教者平和の祈りの集い」(主催・同集い実行委員会)が8月4日、国立京都国際会館(京都市)と天台宗総本山比叡山延暦寺(滋賀・大津市)の一隅を照らす会館前特設広場で開催された。

テーマは『気候変動と宗教者の責務』。ライブ配信の視聴者を含め、国内外の諸宗教代表者ら延べ2900人が参加した。世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会会長の庭野日鑛会長(立正佼成会会長)が実行委員会の顧問を務め、同副実行委員長の國富敬二理事長、同実行委員の和田惠久巳総務部部長、中村憲一郎京都教会長らが当日の集いに出席した。

午前、国立京都国際会館での開会式では、一般財団法人日本総合研究所会長で多摩大学学長の寺島実郎氏が『歴史的大転換期における宗教―心の回復力(レジリエンス)を求めて―』と題して記念講演を行った。寺島氏は、宗教と政治権力が結びつくと、今のロシアのように戦争の正当化・美化などが起こる危険性があると指摘。一方、宗教には内省力や共感力といった「自らを見つめる力」があり、対立や分断が深刻化する現代において「対話の基盤になる可能性がある」と述べた。

次いで、国内外の宗教者、識者4人によるシンポジウムが行われた。

午後には、比叡山上で「世界平和祈りの式典」を挙行。國富理事長の開式挨拶の後、「平和の鐘」の鐘打に合わせ、参集者が平和の祈り(黙とう)を捧げた。続いて、同集い実行委員会名誉顧問の大樹孝啓天台座主が主催者代表挨拶に立った。大樹座主は、「環境問題は現代文明の当然の帰結」と言明。宗教者があらゆる分野で環境負荷の軽減・削減に努めるとともに、「神仏の大いなるご冥助を切に祈ってまいりたい」と誓願した。

この後、激しい雷雨により残りの行程は中止され、主催者が「比叡山メッセージ2022」を発表した。(後日詳報)