3年ぶりの「祇園祭」に歓声 本会京都教会青年部員が曳き手に

ユネスコの世界無形文化遺産にも登録されている祇園祭の山鉾巡行で、八幡山と鷹山を曳いた京都教会の青年部員。「動く美術館」とも称される、山鉾の豪華な懸装品が観客を楽しませた

「えんやらやー」――勇壮な掛け声と、笛、鉦(かね)、太鼓による祇園囃子(ぎおんばやし)が市中に響き渡る。京都の夏の風物詩「祇園祭」。その後祭(あとまつり)のハイライトとなる山鉾(やまほこ)巡行が7月24日に行われ、計11基の絢爛(けんらん)豪華な山鉾が京都市の中心街を行進した。

祇園祭は、八坂神社(京都市東山区)の祭礼で、疫病が流行した869年に、災厄の除去を祈願して行われたことが起源とされる。神田祭(東京都)、天神祭(大阪府)に並ぶ日本三大祭りに挙げられ、毎年7月1日から1カ月間、八坂神社と京都市内でさまざまな祭事が執り行われる。

196年ぶりに復活した「鷹山」

立正佼成会京都教会は1984年に初めて、祭事の一つである山鉾巡行の曳(ひ)き手のボランティアに参加。その後、新日本宗教団体連合会(新宗連)京都府協議会の青年部も加わり、毎年、曳き手を担ってきた。新型コロナウイルス感染症の流行で一昨年、昨年と中止されていた山鉾巡行が今年、3年ぶりに行われると聞き、同教会は地域貢献の願いのもと参加を決定。前祭(=さきまつり、17日)と後祭の山鉾巡行で、延べ51人の青年部員が山鉾の曳き手を務めた。

最高気温34度を記録した24日、青年部員は二手に分かれ、「八幡山」と196年ぶりに復活した「鷹山」の2基を担当。感染対策を講じた多くの市民や観光客が沿道から見守る中、烏丸御池交差点から鴨川沿いを回り、四条烏丸交差点までの都大路約2.5キロを練り歩いた。都大路の各交差点では、巡行の見せ場でもある、「鷹山」の進行方向を90度回転させる「辻回し」が行われ、曳き手の青年部員たちも汗だくになりながら、音頭取りの掛け声と扇子による合図に合わせて10トン近い手綱を曳いた。山鉾が回転するたびに、沿道から大きな歓声と拍手が上がった。

同教会で祇園祭の担当を務める男性会員(32)は、「3年ぶりに山鉾巡行に参加させて頂き、改めて、すごいお祭りに携わらせて頂いている有り難さをかみしめ、山鉾を曳けるのが当たり前ではないことを実感しました。巡行中はコロナ禍が一日も早く終息することを願い、八幡山を曳きました。これからも多くの仲間に声を掛け、青年部としてこの伝統ある大切な祭事に携わっていきたい」と語った。

八幡山