本会一食平和基金から緊急支援 南スーダンの洪水被害、アフガニスタンの地震被害に対し

プラスチックシートがないため、地面に敷いた布の上で生活する南スーダンの避難家族(写真提供=JVC)

立正佼成会一食(いちじき)平和基金運営委員会はこのほど、大規模洪水が頻発し、情勢不安が続く南スーダンの被害と、今年6月に発生した地震で人道危機に陥るアフガニスタンの被害に対し、それぞれ100万円の緊急支援を発表した。

南スーダンでは2011年の独立以降、内戦が激化し、20年に暫定政権が発足した後も、国民の3分の1にあたる約430万人が避難生活を送っている。また近年では、大規模な洪水が頻発しており、国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、83万5000人以上が被害を受けている。特に、同国北部のユニティ州レール郡では、19年から3年続く洪水の被害で22万人以上が被災。さらに、今年4月上旬に軍の施設で武力衝突が発生したのをきっかけに、郡内の村々が武装集団に襲われた。事態が沈静化するまでに8万人以上が国内避難民となり、今も屋外での寝起きや食料難の状況が続いている。

こうした状況を受け、一食平和基金運営委は、現地で救援活動を行う認定NPO法人日本国際ボランティアセンター(JVC)に対して100万円の寄託を決定した。JVCは支援金を基に、郡内の避難民地区400世帯分の救援物資の提供を計画。避難世帯の中でも、特に支援が必要な女性と子供や高齢者世帯などを戸別訪問し、風雨をしのげるプラスチックシートを配布する予定だ。

パクティカ州ガヤン地区では多くの建物が倒壊し、被害が拡大している(写真提供=JEN)

一方、アフガニスタンでは6月22日、同国東部のホスト州を震源とする大地震(マグニチュード5.9)が発生。世界保健機関(WHO)の発表によると、7月3日時点で、1036人の命が奪われ、6083人が負傷した。ホスト州に隣接し、大きな被害を受けた地域の一つであるパクティカ州ガヤン地区では、家屋の倒壊で下敷きになるなどして犠牲者が増え続けており、住民のほとんどはテントでの避難生活を余儀なくされている。

これを受け、同運営委は被災者支援のため100万円を拠出。寄託先の認定NPO法人ジェン(JEN)では、被災した一世帯あたり2万8000アフガニ(318ドル相当)の現金を支給し、約2カ月分の食料や衛生用品、越冬のための物資やその他の生活必需品を購入できるようにする。こうした支援に浄財が活用される。