本会が「同性パートナーシップ規程」を施行 メッセージを発表
同性同士のカップルを「結婚に相当する関係」と見なし、証明書を発行する「パートナーシップ制度」を導入する自治体や企業が増えている。こうした社会の変化を受け、立正佼成会でも今年4月1日、職員を対象とした「同性パートナーシップ規程」が施行された。同規程では職員の同性パートナーやその子供について、本会制度上の「配偶者や家族」と見なし、婚姻関係と同等の住居手当といった福利厚生サービスの提供を受けられることが定められた。これに伴い、5月30日には、『「同性パートナーシップ制度」の導入に込めた思い』と題したメッセージを発表し、本会ウェブサイトに公表した。
「パートナーシップ制度」は、20歳以上であることや配偶者がいないことなど、一定の要件を満たした同性同士のカップルを、自治体が公式に承認する制度。2015年3月に、東京・渋谷区で「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」が制定され、国内初の「パートナーシップ証明書」が発行された。その後も、多様性の尊重を重視する取り組みとして、多くの自治体が導入を検討。今年4月時点で、209の自治体が制度を導入している。さらに、企業や学校などでも、LGBT(性的少数者)に配慮した取り組みが進められている。
本会ではこれまで、仏教精神を基盤とした共生社会の実現に向け、部落差別問題(同和問題)の解消に積極的に取り組むとともに、宗教や国籍の違いによる差別の撤廃や、障害者や高齢者の人権擁護などを訴えてきた。一方、近年では、男女の違いにより生じるさまざまな格差や性的少数者への偏見、外国人労働者の受け入れなど、複雑化する諸課題に対し、より柔軟な対応が求められるようになっていた。
5月30日に発表された本会のメッセージでは、こうした現状を踏まえ、「すべての人が尊重される社会の実現を目指す一環として、性的少数者の方たちの生きづらさを軽減したいと願い、『同性パートナーシップ制度』を導入しました」と表明。同制度は本会職員を対象とするものであり、法律上の「結婚」とは異なるため、その効力は「本会として可能な範囲」に限定されると記された。
その上で、今回の制度導入を機縁として、「同性愛者やトランスジェンダーをどこか遠い存在だと思っていた方々も含めて、より身近に感じ取り、共に考え、支え合えるサンガでありたいと願っています」と述べ、違いを認め合い、誰もが幸せに暮らせる社会づくりを目指し、今後も一人ひとりの理解促進に努めるとの決意を表している。
『「同性パートナーシップ制度」の導入に込めた思い』(本会ウェブサイト)