板橋教会 憲法学習会で改憲問題を考える 平和への願いを共にかみしめ

学習会では、日本国憲法に込められた平和の理念や改憲を巡る論議の問題点を学び、理解を深めた

日本国憲法に込められた平和の理念を学び、「憲法改正」を巡る問題を考える指針にしようと、立正佼成会板橋教会では今年3月から「憲法学習会」(全3回)を開催している。4月10日には、第2回が教会道場で行われた。当日の様子はオンライン配信され、その視聴者も含めた会員、市民約80人が参加した。

学習会は、同教会の有志で結成した「発心(ほっしん)の会」によるもので、第1回に続き、今回も前衆議院議員の阿久津幸彦氏(立憲民主党)に講師を依頼した。

講演に立った阿久津氏は冒頭、憲法は、国民が国家の権力を制限し、国民の権利を守るように定めたもので、「国民一人ひとりの人間としての尊厳を守るためにある」と説明。その上で、日本国憲法では「基本的人権の尊重」が三原則の一つとして定められ、国民の権利を守る多くの条文があることが特長と述べた。

また、同憲法の前文には、恒久平和を念願し、「自国のことのみに専念して他国を無視してはならない」と国際協調主義の考えが記されていると解説。この理念は世界での日本の使命を示すとともに、全てのものは関係し合いながら存在しているという「縁起観」にも通じる普遍的な真理と語った。

さらに、自民党が2018年に示した改憲案では、第9条に自衛隊が国の自衛組織として明記されたことに触れながら、15年に集団的自衛権を容認する安全保障関連法が成立したことを踏まえて、自衛隊のあり方を考えることが大切と指摘。自衛隊は政府判断で同盟国の戦争に参加する可能性が生まれており、今後の「憲法改正」を巡る論議もこうした点を考慮して注視していくべきと述べた。

参加した同教会主任(75)は、「日本国憲法が持つ世界平和への願いをかみしめました。平和な世界を次の世代に託すため、自分でしっかり考えていきます」と話した。

第3回は5月14日に開催される予定。