WCRP日本委青年部会が公開学習会 「障害平等研修」を学び発表

谷内氏は、障害者が日常的に感じる障壁を改善するための行動について語った(「Zoom」の画面)

『心と社会のバリアフリー~見えない壁が見えてくる~』をテーマに世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会青年部会の公開学習会が3月5日、オンラインで開催された。同日本委に協力する教団の信徒や市民ら約40人が参加した。

青年部会では、国連の「持続可能な開発目標」(SDGs)の達成に向けた活動を進めている。学習会はその一環。障害者が安心して暮らせる共生社会を実現するために企画された。

当日は、NPO法人障害平等研修フォーラムによる「障害平等研修(DET)」が行われた。これは、障害当事者がファシリテーターとなって進める研修プログラムで、日常的に直面する社会の問題を、参加者が主体的に気づき、解決することを目指す内容だ。

今回は9人がファシリテーターを務めた。研修ではメーンファシリテーターの谷内孝行氏(桜美林大学准教授)が、障害者が日常生活で不便さを感じる場面を描いた絵や動画を紹介。参加者は、車いすに乗る女性が街中を移動する様子などを見ながら、「障害とは何か」「障害はどこにあるのか」を考え、スロープや手すりが無い、介助者がいないといった社会の環境こそが「障害」の本質であることを確認した。

谷内氏は、こうした「障壁」を取り除くことで、障害者が社会生活で感じる不便さを軽減できると強調。障害者の声に耳を傾け、適切に社会環境の改善を進めることが重要と訴えた。

この後、ファシリテーターと共に対話形式のグループワークが行われた。参加者は、職場や地域で、障害者にとって障壁になっているものについて検討。「車いすの方が来社したら、階段を使わなくて済むよう1階で応対する」など、各自が身近にできる行動を発表した。

最後に、谷内氏が『法律から捉える「合理的配慮」』と題して講演。障害者差別解消法では、行政機関や民間事業者は、社会的障壁による機会の不平等をなくすため、障害者と話し合いながら障壁の除去に努める「合理的配慮」が義務付けられていると説明した。