本会モンゴル・ウランバートル支部 首都住民に一食助成で医療支援 新型コロナ感染拡大を受け

会員の医師(写真右)が、「コロナ予防セット」を届け、市民に正しい手洗いや消毒などの方法を伝えた

モンゴルの立正佼成会ウランバートル支部は先ごろ、新型コロナウイルス感染症が広がる首都ウランバートルで住民にマスクなどの衛生用品を配布し、医師、薬剤師の会員が医療相談を行った。

この活動は本会一食(いちじき)平和基金の「海外教会・拠点一食プロジェクト」として実施されたもの。プロジェクトでは、同基金から資金の寄託を受けた海外の布教拠点が、社会問題の解決に向けた活動や支援を行う。

ウランバートル支部は布教伝道のほか、生活困窮者への支援など社会貢献活動に取り組む。2008年からは年に数回、医療機関が少ない遠隔地の生活困窮家庭を訪問し、無料で健康診断や衛生指導を行っている。

モンゴルでは今年6月から同ウイルスの感染が拡大。人口が集中するウランバートルでは医療体制が逼迫(ひっぱく)した。これを受け、同支部では9月11日に感染者の多い首都の3地区(ハンオール区、バヤンゴル区、ナライフ区)で支援活動を実施した。

会員たちは、事前に各地区の福祉担当者や保健所職員から聞いていた支援が必要な78人の住民宅を訪問。マスクや消毒液、ハンドソープ、ビタミン剤、漢方薬などを詰めた「コロナ予防セット」を提供した。

翌12日には医療相談を実施。57人に対し、会員の医師2人と薬剤師1人が電話や対面で感染対策、体調管理などに関する相談にあたった。住民からは、「体の調子や医療費のことを落ち着いて相談できた」「感染の心配だけでなく、コロナ禍で職を失う不安まで聞いてもらえて有り難かった」といった声が寄せられた。

住民の不安に耳を傾け、薬の服用について説明した薬剤師の女性会員(67)は、「『一食を捧げる運動』を実践する日本の皆さんに感謝します。住民の相談に答えると、皆さんの声が明るくなり、私も元気をもらいました。今後はコロナに苦しむ地方の人たちを支援し、日本の方々の真心を届けたい」と語った。