WCRP国際委共催 世代間交流による国際会議 ドイツ・リンダウを拠点にオンラインで 光祥次代会長が開会式であいさつ

リンダウで行われた開会式で司会を務めたWCRP/RfP国際委員会のカラム事務総長

『信仰と外交に関する世界宗教指導者会議――対話する世代』と題した世代間交流による国際会議が10月4日から7日まで、ドイツ・リンダウを拠点にオンラインで行われた。世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)国際委員会、リンダウ財団、ドイツ外務省の共催。各世代の宗教者をはじめ、国連代表や各国政府関係者、研究者やNGOの代表など約500人が参加した。立正佼成会からWCRP/RfPの国際共同議長を務める庭野光祥次代会長がオンラインで出席し、開会式で歓迎のあいさつを述べた。閉会式では、同国際女性ネットワーク副委員長を務める和田惠久巳国際宗教協力専任部長が発表した。

一昨年にリンダウで開催されたWCRP/RfPの第10回世界大会では、気候変動や紛争、経済格差といった地球規模の課題を解決し、持続可能な開発を実現するには若い世代の知識や解決能力が不可欠であることが確認された。今回の会議はこれを受けたもの。新型コロナウイルス感染症の流行を含めた諸課題に対処するには、神仏と人間との結びつき(信仰)の重要性を再認識し、国家や組織、市民社会、個人間の平和的な関係(外交)を再定義する必要があり、これを踏まえ、青年の役割や意思決定プロセスへの若い世代の参画などについて意見が交わされた。

4日13時30分(日本時間20時30分)に始まった開会式では、同国際委員会のアッザ・カラム事務総長が司会を務め、光祥次代会長を含む3人の国際共同議長と青年代表が歓迎のあいさつを述べた。

この中で光祥次代会長は、人それぞれに見えている世界、聞こえている声があるものの、それが全てではないと語り、見えないもの、聞こえないものがあるからこそ、異なる地域や違う世代の人と対話し、相手の目に映る世界を学ぶ必要があると説いた。さらに、世代や性別の異なる人の声に耳を傾けることは、社会の公正を保つと同時に、課題を抱える現在の世界への挑戦であると述べた。その上で、コロナ対策や環境保護、経済・外交問題への対応について、男性が中心になってつくってきた既存の社会の枠組みは限界を迎えており、全ての人が安全で幸せである状況を全員でつくっていくには、枠組み自体を見直す時期に来ていると指摘。女性や若者が既存の枠組みに「入れてもらう」時代から、女性や若者と共に新たな枠組みを築いていく時代に踏み出さなければならないと訴えた。

オンラインで出席した光祥次代会長は開会式の席上、国際共同議長として歓迎のあいさつを述べた

この後、7日まで、信仰と外交のほか、公衆衛生、平和と安全保障、環境、人道主義をテーマに、宗教者や専門家による基調講演、スピーチが行われた。代表者による対話や討論会も開かれ、それぞれの場面で、青年の代表も積極的に発言した。

会議では宣言文を採択。紛争や政治的・構造的暴力、環境危機、国家間のワクチン接種の不公平といった問題に対し、さまざまな協力関係を強化して平和を構築していくことを確認した。また、青年主導の取り組みを支持するだけでなく、平和実現へのプロセスに青年の意見や経験を取り入れていく姿勢を表明した。

さらに、多様な信仰伝統を有する組織を代表して六つの誓約を明記。「暴力を否定し平和の希求者、創設者に徹すること」「思想・良心・信条の自由を守り、全ての信仰を擁護して差別をなくしていくこと」「難民や避難民を受け入れていくこと」「自然との調和による環境保護」「ワクチンの平等な提供」「外交官や政策立案者へ公共の利益のために協働することの呼びかけ」を誓った。