秋の訪れを知らせる彼岸花 一乗宝塔の前で色鮮やかに

9月17日撮影

一乗宝塔の前に植えられている彼岸花が真っ赤な花を開き、秋の訪れを知らせている。

日本での別名は「曼殊沙華(まんじゅしゃげ)」。仏典に記される曼殊沙華は、「これを見るものはおのずから悪業を離れる」(仏教語大辞典、中村元著)という天界の花で、彼岸花にその名称が付けられている。

法華経の序品には、「是の時に天より曼陀羅華(まんだらけ)・摩訶曼陀羅華・曼殊沙華・摩訶曼殊沙華を雨(ふ)らして仏の上及び諸の大衆に散じ」とあり、これから法華経を説かれる釈尊に、天から曼殊沙華など4種類の花が降り注ぎ、礼賛されたことが記されている。

仏教とゆかりのある名を持つ彼岸花。凜(りん)と立つその姿と花の鮮やかさは、古くから人々の心を捉え、詩歌にもよく詠まれた。今、全国各地で見ることができる。