「9月11日は破壊と死の暗黒日――米国のカトリック司教会議」など海外の宗教ニュース(海外通信・バチカン支局)
9月11日は破壊と死の暗黒日――米国のカトリック司教会議
2001年9月11日に発生した米国同時多発テロから20年の歳月が流れた。米国のカトリック司教会議議長を務めるホセ・オラシオ・ゴメス大司教(ロサンゼルス大司教区)は9月10日、同テロに関する声明文を公表した。
この中で、9月11日を「破壊と死をもたらした暗黒の日」と表す一方、「われわれは、消防士、警察官、救命救急の医療従事者、救援部隊が展開した英雄的な行為を覚えている」と強調。同テロを通し、「人間の心から生まれてきた最たる悪は、同時にわれわれの人間性の最良の部分を明らかにした」と指摘した。
さらに、同テロの発生から20年の節目に際してこれまでを振り返り、「多くの一般市民が見せた勇気と無私の精神、結束と純粋な愛国精神に思いを馳(は)せる」と述べ、一人ひとりがどう生きるかによって、犠牲者を弔うことができると訴えた。
また、「(同テロによって)失われた無実の生命、嘆き悲しむ人々、今なお身体的、精神的、霊的な傷痕に苦しむ人々のために祈る」と表明。「神が、私たちに友愛や和解という共通の目的に向かって歩むためのインスピレーションを授け、(犠牲者を)悼む人々には慰めを、憎悪に苛(さいな)まれた心には平安を、動揺する世界には平和を与えてくださいますように」と祈っている。
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