22億人のキリスト教徒が祈る「創造の保全」など海外の宗教ニュース(海外通信・バチカン支局)

22億人のキリスト教徒が祈る「創造の保全」

ローマ教皇フランシスコは9月1日、バチカンで行われた一般謁見(えっけん)の席上、同日が「創造(環境)の保全のための世界祈願日」であるとともに、10月4日の(アッシジの)聖フランシスコの祝日まで続く、被造物保護のための祈りと行動の月間「創造の季節」の始まりであると告げた。

「創造の季節」はキリスト教諸教会と共に行われ、世界で22億人のキリスト教徒が参加する。諸教会の一致を図るエキュメニカル運動でもある。今年のテーマは『皆が住む一つの家?――神が宿る家の保全への努力を新たにしよう』。教皇は取り組みに際して、東方正教会コンスタンティノープル・エキュメニカル総主教のバルトロメオ一世、英国国教会のジャスティン・ウェルビー・カンタベリー大主教と合同でメッセージを公表することも明かした。「地球規模で起きている重大な危機に対し、キリスト教諸教会の兄弟姉妹たちと共に、私たちに共通の家(地球)の保全のために祈り、活動を展開していきたい」と意向を表明した。

イタリアのカトリック日刊紙「アベレーニ」は同日、「創造の季節」に関する記事を掲載。エキュメニカル運動であると記し、「今日から34日間にわたり、世界に散在する22億人のキリスト教徒が、祈り、反省し、共に活動を展開しながら、自身と神、創造との関係を刷新していく」と説明した。

一方、環境問題について提言した回勅『ラウダート・シ』の名が付けられた、カトリック教会による創造の保全のための世界運動は翌2日、環境保全に関する声明文を公表した。この中で、世界の政治、環境保全などの指導者たちが、今年11月に英国グラスゴーで開催されるCOP26(第26回気候変動枠組み条約締約国会議)のために集う数週間前に、「教皇が、全てのカトリック信徒たちに向けて、エキュメニカルで世界的な運動である『創造の季節』を通して、私たちに共通の家(地球)を保全するために(心を)悔い改め、行動を起こすように呼びかけている」と伝えた。

声明文で教皇は、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が今年8月に発表した評価報告書で「人類の脅威が高まっている」と示されたことを踏まえ、「気候変動の危機による神の創造のメンバー(自然と人間)に影響を与え、人類にとって最悪の環境と気候変動の危機に向かっている道を是正する時が、過ぎ去りつつある」と指摘。貧しい人々が直面する苦境を思いやり、全カトリック信徒に「この危機を好機に変革していくために、効果的な行動を速やかに起こすように」と訴えている。

教皇は先頃、スペイン語のカトリック系ラジオ放送のインタビューに応じた。この中で、「体調が許せばCOP26に参加する予定で、そのためのスピーチやプログラムを準備している」と述べた。

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