原爆投下76年 広島、長崎で慰霊式典 犠牲者を追悼

大雨の中で行われた長崎県宗教者懇話会の原爆殉難者慰霊祭。宗教者が共に平和を祈念した(長崎教会提供)

戦禍を二度と繰り返さない 宗教・宗派を超え、共に祈り

長崎、佐世保、諫早の3教会が加盟する長崎県宗教者懇話会主催の「第49回原爆殉難者慰霊祭」(主管・長崎県明るい社会づくり運動推進協議会)が8月8日夜、長崎市松山町の爆心地公園で営まれた。新型コロナウイルス感染予防のため、昨年に続いて規模を縮小し、県内の宗教者ら約50人が出席。立正佼成会から久井快哲佐世保教会長(同懇話会会長)、岩元良彰長崎教会長、松本匡代諫早教会長が参列した。

大雨の中で営まれた慰霊祭では、浄土宗大音寺の本原大義住職による「お清めの儀」、カトリック長崎大司教区の中村倫明補佐司教による「献水の儀」に続き、大浦諏訪神社の今村豊親宮司が「慰霊のことば」を読み上げた。

この中で今村宮司は、昭和20年8月9日午前11時2分に長崎に投下された原子爆弾によって、7万3000人を超える尊い命が奪われるとともに、その後も原爆症で多くの人が亡くなっていることに対し、哀悼の意を表明。「この惨禍を終生忘るる事無く、二度と繰り返してはなりません」と訴えた。また、「無限の過去から遠い未来に至る間の現在」という意味を表す神道の「中今」の世界観に触れ、「過去・未来を按ぜず今この時を喜び大切に生きる」という思いを胸に、諸宗教者と心を一つにして「慰霊と恒久平和の祈り」を捧げ、平和な世界の実現に向け精進することを誓った。

参加者全員で黙とうを捧げた後、代表者による献花が行われた。

翌9日の「原爆の日」には、長崎教会で「原爆犠牲者慰霊法要」が行われ、教会役員が出席した。

同日、平和公園で行われた長崎市主催の「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」には、長崎県の3教会長が出席した。