WCRP日本委「平和と和解のためのファシリテーター養成セミナー」 フォローアップセミナー

世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会の「平和と和解のためのファシリテーター養成セミナー」第1回フォローアップセミナーが7月10、11の両日、オンラインで開催された。

同委の「和解の教育タスクフォース」によるもので、2017年7月から今年4月まで行われた同セミナーの1期と2期の受講生が対象。『外へふみだす――東北アジアの平和構築を考える』をテーマに非公開で実施され、44人が参加した。

14日に公表されたプレスリリースによると、今回のセミナーでは、「人間の安全保障」「修復的正義」などの考え方を学び、東北アジアにおける分断の問題と和解について理解を深めた。

10日の開会式では、同タスクフォースの責任者である山本俊正師(元関西学院大学教授)があいさつ。「セミナーを通して、東アジアに蔓延(まんえん)する軍事的抑止論を克服する平和構築のあり方を見いだしていきたい」と今回の学習に期待を寄せた。その後、2日間にわたり、六つの会合が開かれた。

「東北アジアの状況及び平和創造の可能性」(セッション1)の会合では、清泉女子大学の松井ケティ教授が講師を務め、この地域に存在する歴史認識や領土に関する諸問題に触れ、コミュニケーションや対話によって信頼を醸成し平和を創造していく可能性を示した。

また、「東北アジアの分断から和解へ――世代を超えて受け継がれた課題への責任と癒しに取り組む」(同5)では、熊本大学の石原明子准教授が紛争解決の理論や、平和構築における被害を受けた人へのトラウマ回復プログラムの重要性などを解説した。「東北アジアの平和のビジョン――平和創造の主体であるわたしたち」(同6)では、大阪女学院大学の奥本京子教授が講師を担当。参加者はワークショップを通して、民主主義を機能させて平和を構築する方法を学んだ。

閉会式であいさつした同タスクフォース運営委員の庭野光祥次代会長は、今回のテーマに即して多角的に学習ができたことに謝意を表明。和解のために身近でできることは多くあるとし、一人ひとりがセミナーでの学びを基に、人の痛みや悲しみに向き合っていくことが大切と述べた。

ファシリテーター

意見の対立を調整したり、主体的な意見交換を促したりして、参加者の相互理解や問題解決を図っていく支援者、進行役のこと。