WCRP創設50周年記念式典の概要決まる 日本委が第22回評議員会後に記者会見
先達に感謝捧げ、願いを継承
この後、WCRP/RfP創設50周年記念式典に関する記者会見が行われた。冒頭、同日が沖縄戦から76年の「慰霊の日」にあたり、戦争犠牲者に黙とうが捧げられた。
次いで、植松理事長が同式典の開催趣旨を説明し、1970年に京都で開かれた第1回世界大会に言及。当時、核兵器の開発競争が激化し、東西冷戦構造による米国とソ連の代理戦争が各地で起こり、核戦争の脅威が高まっていた世界の状況に対し、諸宗教協力による平和実現のために日本の宗教者たちが立ち上がったと説明した。また、多くの先達の尽力で諸宗教協力による平和への取り組みが世界に広がり、現在の潮流になっていることを挙げ、式典では、祈りを通して先達への感謝と、その願いを継承する決意を表したいと述べた。その上で、式典の最後には、同日本委の今後10年の方向性を示す「WCRP日本委員会(WJ)アジェンダ2030」を発表すると表明した。
続いて、篠原事務局長が式典の概要を説明した。
この後、大西実行委員長があいさつし、決意を発表。諸宗教者が力を合わせ、人々の救いにつながる行動を起こしていくことを誓い、覚悟を共にすることが式典の願いと語った。また、WCRP/RfPの国際ネットワークをより積極的に活用し、さらに社会に尽くしていきたいと表明。宗教者の責任として、世の中の厳しい現実や悲惨な過去と真摯(しんし)に向き合い、傷ついた人々の声に耳を傾け、共に励みを見いだしていくことを挙げ、その役割と使命を確認して今後に生かす式典にしたいと述べた。
テーマは『Our Heart for All Beings(共にすべてのいのちのために)~宗教協力の新たな扉~』。式典は二部構成で、第1部では、「平和の祈り」「50年を振り返るビデオ放映」「諸先達追悼」「被ばくピアノコンサート」などが予定されている。
第2部は記念シンポジウム。人類学者で京都大学前総長の山極壽一氏、宇宙飛行士の山崎直子氏による基調講演と、これに対する宗教者の応答などが行われる。WCRP/RfP日本委員会の今後10年の活動と運営の方向性を示す「WJアジェンダ2030」が発表される。