誰もが幸せになる社会を目指す 新宗連青年会がユースフォーラム2021をオンライン開催

杉内氏は、宗教者が共生社会の実現の担い手となることに期待を寄せた(「Zoom」の画面)

『I’m Possible~人さまにお伝えできる~』をテーマに、新日本宗教青年会連盟(新宗連青年会)の「ユースフォーラム2021」が6月27日、ウェブ会議システムを使って行われた。加盟教団のうち、立正佼成会を含む6教団から約100人が参加した。

同フォーラムは、加盟教団の青年による「出会い、啓発、学習」の場として年に1回開催されている。当日は、『自ら作る共生社会~みんなが生きやすい環境を目指し~』をテーマに、アテネパラリンピック競泳銅メダリストで、日本パラ水泳連盟理事の杉内周作氏が講演した。

小学生の頃から水泳を続けていた杉内氏は、26歳の時に、視野が徐々に狭くなる網膜色素変性症と診断された。その後、身体障がい者の水泳競技を始め、数々の大会で活躍した。

講演の中で杉内氏は、パラリンピックは共生社会の実現を促進することが目的と説明。選手や指導者としての自身の体験を紹介した上で、「誰もが生きやすい環境」をつくるには、一人ひとりが周囲の支えに感謝する心を持つこと、互いの共通点を見つけて親近感を深めること、相手の置かれた状況を想像することが大事と述べた。

また、「共生」を妨げる要因の一つは、人を差別する心であると指摘。障がい者と健常者の違いを超えて、相手を積極的に理解し、友愛の精神で受け入れることが大切と述べた。こうした意識は、ジェンダーや人種、国籍、宗教などの違いを超えた相互理解にも通じると語り、皆が幸せに暮らせる社会の実現に向けて、宗教者の貢献に期待を寄せた。

この後、参加者は12班に分かれ、講演を通しての学びや、共生社会に向けた信仰者の役割などについて語り合った。