「釈迦牟尼仏ご命日(布薩の日)」式典で庭野会長が法話 コロナ禍でも自らを鍛えて活性化

庭野会長は、コロナ禍の中で健康を保つため、ご供養や音読、深い呼吸の大切さを示した

立正佼成会の「釈迦牟尼仏ご命日(布薩=ふさつ=の日)」式典が5月15日、東京・杉並区にある大聖堂で行われ、庭野日鑛会長が法話を述べた。式典の模様はインターネットの動画共有サイトで、ライブ配信(会員限定)された。

式典では庭野光祥次代会長を導師に読経供養が行われ、西尾京子立川教会長が体験説法に立った。

信仰3代目になる西尾教会長は、結婚後に娘の病を治したい一心で、それまで以上に仏道修行に励むようになった経緯を述懐。同じ悩みを持つ母親たちとの触れ合いを通し、自らの苦ばかりにとらわれて最もつらい思いをしている娘に寄り添えていなかった自身の姿に気づき、支えてくれていた家族やサンガ(教えの仲間)に感謝できた体験を発表した。

また、教会長を務める現在は、新型コロナウイルスの感染拡大で会員が集えない中、教会独自の通信紙の発行や壮年部が発案した「ドライブスルー参拝」の実施などサンガと共に工夫を凝らした活動を進めている様子を紹介。会員それぞれがご宝前を中心とした生活に励んでいると述べた。

この後、庭野会長が法話を述べた。この中で、人間の心は人と会話し、相手の話を理解する中で育っていくものの、コロナ禍で人と接することができない現状では脳の働きが衰えやすく、心も育ちにくくなるため、朝夕のご供養でしっかりと声を出して読誦(どくじゅ)することが大切と説示。自らの声で唱えた経文を心で受けとめることができ、大きな声で読誦することは身体の健康につながると話し、その実践を促した。

また、「息」の重要性に触れ、現代人は呼吸が浅いといわれており、意識して呼吸を深くすることを推奨。「『人間の生活は習慣の織物』といわれます。ご供養をして心や脳の働きを良くして、深い息遣いを常にしておくことが、コロナ禍の活動が制限される時だからこそ大事です」と述べた。

さらに、本を読んで好きな言葉を音読する効果にも言及。自宅で行うご供養や音読、深い呼吸は、自分で自分を育てることになると述べ、「コロナが終息した時には、元気で皆さんとお会いできるように今こそ自らを鍛えて活性化し、精進していきたいものです」と会員に語りかけた。