本会同和推進本部が名称変更 「人権啓発委員会」として、いのちを尊ぶ社会目指す
会員一人ひとりの人権意識を育み、差別をなくすために活動してきた立正佼成会の「同和推進本部」(本部長=澤田晃成総務部部長)がこのほど、名称を「人権啓発委員会」に改めた。時代とともに人権に関わる問題は多様化、複雑化しており、広く理解を深め、あらゆる差別の解消を目指すことが目的。これまで本会が特に力を入れて取り組んできた部落差別問題(同和問題)の解消をはじめ、今後も人権意識を高めるさまざまな啓発活動を推進していく。
同和推進本部は、1979年に米国プリンストンで開催された世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)の第3回世界大会で、日本の宗教者が部落差別問題について不適切な発言をしたことへの反省から、翌年に発足した。教団として、「仏教精神を基盤とし、部落差別を中心とする差別の解消をめざし、人権意識の高揚をはかる」ためだ。
以来、同和推進本部は、新入職員や新任教会役員向けに、部落差別問題や本会の人権への取り組みを中心とした研修を実施。また、講師を招き、教会長対象の「人権学習会」や職員対象の「人権啓発講座」を行っている。このほか、「『同和問題』にとりくむ宗教教団連帯会議」(同宗連)にも参画するなど、他教団や他団体と協力し、取り組みを進めている。
一方、近年は、部落差別のほか、ジェンダーギャップ、障害者や外国人、性的少数者への偏見や差別など、さまざまな人権問題に対応していくことが求められている。本会は今後も引き続き、一人ひとりが自他のいのちの尊厳に目覚め、互いの仏性を礼拝(らいはい)し合う仏教精神に基づき、全ての人の自由や権利が尊重される社会であるよう取り組みを進めていく。
人権啓発委員会事務局長の柿澤伸光総務部次長(渉外グループ)は「人権意識を高めるには、自分の言動が相手を傷つけたり、不快にさせたりしていないか、無意識に人を差別していないか、偏見を抱いてはいないかと、自らを謙虚に省みる姿勢が欠かせません。いのちを尊ぶ仏教徒として、あらゆる人権問題に対する正しい知識を得、自身を振り返る場づくりができるよう、引き続き取り組んでいきます」と話した。