WCRP国際委とテドロスWHO事務局長がオンライン会合 光祥次代会長がスピーチ
世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)国際委員会は3月19日、世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長との会合をオンラインで開いた。新型コロナウイルスのワクチンの公平な配布に向け、諸宗教者のネットワークを通じてWHOの活動に協力するためのもの。同国際委からはアッザ・カラム事務総長をはじめ役員20人が参加。立正佼成会から同国際委の共同議長を務める庭野光祥次代会長が参加し、スピーチした。
同ウイルスのパンデミックに対し、各国の宗教団体、組織は、救命医療や活動に必要な支援を行っている。また、各地の宗教者は、感染予防に欠かせない公衆衛生の意識啓発や推進、さまざまな憶測が飛び交うワクチンに対して正確な情報の提供などに努めてきた。同国際委はこうした宗教者の活動を基に、90を超える国・地域の諸宗教評議会(IRC)と連携して人道支援基金を設立し、支援を進めている。
今回のテドロス事務局長との会合では、パンデミックの収束には全ての人にワクチン接種が実施されなければならないことを踏まえ、ワクチンの公平な普及について意見が交わされた。
席上、最初にスピーチした光祥次代会長は、本会会員の実践の一例として、発症者の濃厚接触者となり外出できない会員へのサポートや、感染者を抱える家族のケアなどを紹介。その上で、大切な人を亡くした遺族に対する精神的ケアの必要性を強調した。
このほか、宗教者からは、社会的に弱い立場にある人も公平に接種できるための働きかけ、コロナ禍で被害を受けた人への心のケア、女性の負担軽減への取り組みの必要性などが伝えられた。
宗教者の提言を受けてテドロス事務局長は、WCRP/RfPとパートナーシップを結び、コロナ禍によって厳しい状況に置かれた人々への精神的、社会的ケア、難民や移民を含む支援の手が届きにくい人々への医療サービスに一層取り組む考えを表明した。
また、ワクチンが広く普及するためには、開発企業などが有する「知的財産権(特許)の放棄が必要になる」と強調。「ワクチンがより多く製造されなければ、全ての人に提供できません。全ての人に行き届かなければ、たとえ豊かな国であってもウイルスの脅威は続きます。知的財産権の放棄は、パンデミックを一刻も早く収束させるために欠かせないものです」と訴えた。