庭野平和財団 令和2年度公募助成先発表 国内外11団体に計1028万円

公益財団法人庭野平和財団はこのほど、令和2年度の公募助成先を発表した。国内外の11団体に計1028万5084円を助成する(2月17日時点のレート1ドル=105.66円で概算。レートの変動に伴い円換算の額が変わるため、総額は参考値)。助成金は、立正佼成会一食(いちじき)平和基金からの指定寄附によるもので、「一食を捧げる運動」の浄財が使われている。

同財団の公募助成は、「宗教的精神に基づく社会・平和活動」「地域で展開される草の根活動」が対象。今回は、分断や対立が深まる世界の現状を踏まえ、前年度に続き、「分断された社会の中の対話と協力」を推進する活動に絞って公募した。昨年9月15日から10月15日までの募集期間中、217件の申請が寄せられた。

選出された11事業は、全て海外での活動。紛争終結後も分断が続く地域での対話や平和教育のほか、難民や少数民族といった地域社会のマイノリティー(少数派)に対する差別の解消などだ。

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このうち、コロンビアの「メデジン・フィルハーモニー・オーケストラ」は、紛争加害者の元ゲリラメンバーと被害者の家族が、合同で合唱のトレーニングを受け、合唱発表会を行う。活動を通して両者が過去と向き合い、和解を目指す。

また、日本のNPO法人「アクセプト・インターナショナル」はソマリアで、刑期を終えた元戦闘員の社会復帰に向け、彼らを受け入れるコミュニティーで対話プログラムを実施する。同プログラムの対象者は、コミュニティーの首長や中小企業経営者、警察官、女性リーダーなど。青年たちが戦闘員となった社会的背景を学び、現在の様子などを理解して、服役後の支援のあり方について協議していく。

「クメール・コミュニティー開発」は、ベトナム国境に隣接するカンボジア南部のカンダル州の村で、ベトナム系住民への差別の解消、子供の権利保障に取り組む。同州とコンポンチャム州にある三つの共同体に暮らすベトナム系住民とクメール人の青少年を同じ人数にして、3泊4日の平和キャンプを実施する。