フィリピンの「バターン図書館・青少年人材育成センター」が新たに 本会一食平和基金が支援

移転して新しく建てられたバターン図書館・青少年人材育成センター(写真提供=BCYFI)

フィリピン・バターン州の再開発事業によって、同州バランガ市ドーニャフランシスカ地区に移転した「バターン図書館・青少年人材育成センター」(BLYDC)の開所式が、昨年12月14日に行われた。


情操教育を担う地域の拠点

BLYDCの前身である「バターン図書博物館」(BLM)は、子供たちに読書の楽しさを味わってもらいたいとの願いから、立正佼成会一食(いちじき)平和基金の支援により1985年に建設された。同州唯一の図書館として、青少年の情操教育に欠かせないものとなった。加えて、本会の「全国高校生トップリーダー教育(アジア高校生の翼)」をはじめ、教会・支教区単位での使節団とバターンキリスト教青年会(BCYCC)との交流の場としても利用されてきた。

図書館機能を備える同センター(BCYFI提供)

2015年に「BCYCC 立正佼成会 合同事業」の一環として全面改修され、名称がBLYDCに変更された。今回、新たに新築されたセンターは鉄筋コンクリート造りの2階建て。従来の図書館機能に加えて多目的室や製図室などを備える。

開所式には、フランシス・ガルシア市長をはじめ、BCYCCのホセ・パウロ・トアソン会長、バターンキリスト教青年財団(BCYFI)のアナ・B・トアソン理事長らが出席。BCYCCメンバーや地域の代表者など約30人が参集した。本会から中村記子習学部部長らがウェブ会議システムを使って参加した。

ルペルト・サントス司教の祈りで始まった式典では、ガルシア市長と中村習学部部長が祝辞を述べた。この中で、ガルシア市長は「『一食を捧げる運動』の基金によってセンターは建設されました。これにより、さまざまな分野のプロフェッショナルな人材を育成できる」と喜びを表した。

祝辞を述べるガルシア市長(BCYFI提供)

中村部長は、センターの移転に伴い、さまざまな課題を乗り越えてきた経緯を紹介。この間の現地の人々との協力を通じて支援の意味を深く見つめたと語り、「『支援する人・される人』という関係ではない、『GIVE AND GIVE』の精神を学ばせて頂きました」とかみしめた。

閉式のあいさつに立ったBCYFIのアナ理事長は、新型コロナウイルスの感染拡大の中にもかかわらず参列した一人ひとりに謝意を表明。その思いに応え、青少年の育成に、より一層力を尽くしていくと決意を語った。