富山教会 手作りマスク3500枚を包括地域の6市町村に贈呈
新型コロナウイルスの感染拡大防止に貢献するため、立正佼成会富山教会では5月から会員たちが布でマスクを作り、包括地域の自治体に寄贈している。10月6日には、加藤幸作教会長はじめ教会役員らが富山・立山町役場を訪れ、舟橋貴之町長にマスク500枚を届けた。これを合わせ、6市町村に贈呈した手作りマスクは計3500枚に上った。
今年、発足60周年を迎えた同教会は、7月に記念式典を予定していたが、同ウイルスの流行を受けて3月初旬、式典は中止になった。サンガ(教えの仲間)の間で落胆ムードが広がったが、この頃、マスク不足が深刻化していたため、「記念の年に、人さまのお役に立てることを」との願いが会員の間で合言葉となり、マスク作りが始まった。
マスクの材料となる生地やゴムひもは品切れ状態で、苦心して材料を調達。支部長が裁断した生地など材料一式を、主任が感染防止に注意しながら協力する会員の元に届けた。マスク作りの協力への「声掛け」を通して連絡を取り合い、集えなくてもコミュニケーションが深まった。
独り暮らしをしている70代の女性会員は、コロナ禍による教会道場の閉鎖で、日々の生きがいだった参拝ができず、寂しさを感じていたが、「マスク作りを通してサンガとの会話が増え、人さまのお役にも立てて、張り合いのある毎日が有り難い」と喜びを語る。また、60代の女性会員は、「40年前、母が嫁入り道具として持たせてくれた足踏みミシンを押し入れから引っ張り出し、マスクを縫っています。少しでも困っている人たちの力になれると思うと、力が湧きます」と話した。
K支部長(57)は、「手作りは、人さまのお役に立ちたいという一人ひとりの気持ちが形に表れたものに思えてなりません。これからも『世のため、人のため』との開祖さまのみ教えを胸に刻み、こうした取り組みを続けたい」と語る。
同教会は年内に、あと3市町村にマスクを贈る予定だ。来年には富山県への寄贈も計画している。