六花の会 各地でオンライン仏教経営者塾

埼玉支教区は、今回初めて仏教経営者塾を開催した(「Zoom(ズーム)」の画面から)

仏教精神を生かした経営を目指す立正佼成会会員の有志によるネットワーク「六花(りっか)の会」。その仏教経営者塾(オンライン)が9月20日に東京東支教区で、同27日に埼玉支教区で行われた。会員たちはインターネットでつながり、体験を発表し合って学びを深めている。

東京東支教区の同塾には、経営者や個人事業主の会員37人が参加した。グループ討議を中心にプログラムが進められ、新型コロナウイルスの流行が事業に及ぼす影響や新たな取り組みなどについて意見が交わされた。

江戸川教会のグループ討議では、洋菓子店を親族で経営する女性会員(69)がこの間の取り組みを発表。コロナ禍で、インターネットで注文を受けられるようにし、新規顧客の獲得につながっていると説明した。大手企業のように大規模で効率的な事業展開は難しいものの、今回の“挑戦”をきっかけに、「街のケーキ屋さん」として客の要望に柔軟に対応する「小回りの利いた経営」が店の強みであると気づき、「地域のお客さまに喜んで頂くという創業の原点を再認識できた」と話した。

全員参加の総合討議では、多くの会員から、新規事業に活路を見いだそうとする思いや経営努力が発表された。これに対し同会共同推進責任者を務める荒川教会渉外部長(68)は、庭野日敬開祖と京セラの稲盛和夫名誉会長から薫陶を受け、企業再建に携わり、同塾講師を務めた福永正三氏(滋賀教会、一昨年11月逝去)から学んだ経営者の心得を紹介。「感性的な悩みをしないこと」に加え、「事業を始めると決めたら、悩まず迷わず、実現に向けてど真剣にやることが成功のカギ」と伝え、激励した。また、平井孝昌台東教会長は、経営上の不安や焦りで波風が立った心を落ち着かせる方法として、読経供養を推奨。「心が清められ、気持ちが明るく前向きになる」と語った。

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