中京支教区 オンラインで平和学習会

立正佼成会中京支教区は9月27日、ウェブ会議システムを使って平和学習会「現地に行かない大学生の翼」を開催し、10教会から23人の大学生が参加した。毎年行われている中部大学生布教推進委員会(CDI)の「大学生の翼」(フィリピンに渡航)が、今年は新型コロナウイルス感染拡大で中止になり、大学生の実行委員によって企画されたもの。

第1部では、豊橋教会の学生部員(22)が、昨年参加した「大学生の翼」での体験を発表。現地でホームステイした際、ホストファミリーと言葉は通じなくても、互いに思いを寄せ合うことで心が通い合えた喜びを語った。また、現地の大学生との対話で提案された、「あいさつをする」「相手の気持ちを考える」「平和を祈る」という身近な平和の行動を今も続けていると話した。

この後、研修が行われ、支教区の青年教務員が、第二次世界大戦における日本とフィリピンの関係を説明。大戦で日本軍に4人の家族を殺害されたフィリピンのキリノ大統領が1953年に、葛藤を抱えながらも服役していた日本人戦犯者に恩赦令を出した歴史の一端も紹介した。その上で、法華経にある「聴(ゆる)す」という言葉に触れ、相手の話に耳を傾けるということ自体に「赦(ゆる)し」の意味合いが含まれているとして、自分と違う意見にも耳を傾け、物事を多角的に見て広い心で人を受け入れる大切さを伝えた。

第2部では、大学生による「縁起観」の研修を実施。続いて、本会とバターンキリスト教青年財団(BCYFI)から奨学金支援を受けるフィリピンの大学生と、CDIが平和学習に先立って行った「ピースシンポジウム」の内容が報告された。この中で、平和を築くには、「互いを尊敬し、理解する」姿勢が大事であるとの意識を全員で共有。その後、法座に臨み、自身の日頃の姿を見つめ、平和への意識を高めた。

参加者の中津川教会の学生部員(18)は、「相手を尊重し、理解すること、そしてゆるす大切さを学びました。以前、友人の発した言葉にとらわれて、すれ違いになったことがありました。相手の言葉の奥にある思いに心を寄せられる自分になりたい」と語った。