WCRP/RfP日本委 オンラインで「一食運動」啓発イベント

釜石市の復興状況を説明する海老原氏(写真は「Zoom(ズーム)」の画面から)

世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会によるオンラインイベント「WCRP  明日への一食(いちじき)Forum~閃喜(ひらめき)のOne Meal Evening~」が9月14日夕、ウェブ会議システムを使って開催され、加盟教団の信徒ら20人が参加した。

同日本委では毎月1日と15日を「一食を捧げる運動」(一食運動)の実践日と定めている。同イベントは、加盟教団での実践や関係団体の取り組みに学び、一食運動のさらなる実践につなげるため開かれた。

イベントでは、篠原祥哲事務局長が一食運動の趣旨を紹介。続いて、岩手・釜石市で東日本大震災からの復興を支援する「釜石支援センター望」の海老原祐治代表が、震災発生から9年半が経った現地の復興状況を詳述した。同日本委は「望」に対して、一食運動による浄財を含めた資金を助成してきた。

海老原氏は、被災者の復興公営住宅などへの転居がほぼ完了し、街も震災前よりきれいに整備されるなど、ハード面の復興が「最終盤に差し掛かっている」と報告。一方、被災して転居してきた被災者と被災を免れた住民とが共に暮らす地域では、経済的な格差や心情的なすれ違いが見られ、復興住宅では自治組織の担い手不足といった課題もあり、地域コミュニティーを支援する重要性を指摘した。

その上で、「望」は復興住宅、地域でイベントやサロン活動を行い、住民の孤独死の防止や介護予防に努めていると説明。人々の共同体や共助の意識を高めることで、「孤立しそうな世帯をどれだけ少なくしていけるかが大切」と語った。

さらに、“心の復興”とは被災者が「その人らしさを取り戻すこと」と強調。支援者には、つらくて悲観的になっている被災者の心の痛みに共感し、相手の思いを肯定的に受けとめる触れ合いが求められると述べた。

この後、「一食閃喜トーク」が行われ、参加者が震災復興への思いなどを発表した。