大聖堂で「脇祖さま報恩会」 その遺徳を偲ぶ「報恩讃歎文」を奏上 (動画あり)

報恩讃歎文(ほうおんさんだんぶん)

脇祖さま報恩会にあたり、仏弟子日鑛、そのお徳を讃歎(さんだん)申し上げます。

脇祖さまは、自ら(みずか)を病気の問屋と譬(たと)えられるほど、病(やまい)の床(とこ)に伏(ふ)す日々を送っておられましたが、開祖さまによって仏道に導かれてからは、病の苦しみはうそのように消え、人が変わったように布教活動をなされました。それからは、貪り(むさぼり)・瞋り(いかり)・愚痴(ぐち)の三毒(さんどく)こそが病の根本の原因であることに気づかれ、ただひとすじにご法を実践し、師と仰(あお)ぐ開祖さまの証明役(しょうめいやく)として、そのご聖業(せいぎょう)を支えられました。

ときには優しく、ときには厳しくご指導されたのも、法によって多くの人を救うという「真の思いやり」から迸(ほとばし)るものでありました。慈愛(じあい)のこもったそのお言葉は、聞く人々の心の奥底に至(いた)り、多くの人を蘇(よみがえ)らせました。また、悩み苦しむ人には救いの手を差し伸べられ、慈悲喜捨(じひきしゃ)を尽し、常にご自身の身の振舞(ふるま)い方を省(かえり)みられ、菩薩道を歩まれました。

そのお姿を開祖さまは「一切衆生(いっさいしゅじょう)の異(い)の苦(く)を受くるは妙佼一人(いちにん)の苦なり」と、釈尊、日蓮聖人のお言葉を引用され、そのお徳を讃歎されておられます。

そして、昭和三十二年九月十日、今生(こんじょう)の御役(おんやく)を務め終えられた脇祖さまは、本会発祥の地を望む「お山(やま)」において、開祖さまに見守られる中、静かにそのご生涯を終えられました。

私たちは本日の式典を通して、開祖さま、脇祖さまのお徳に倣(なら)い、教団創立百年に向けて、一人ひとりが即是道場(そくぜどうじょう)の精神をもって、大乗菩薩道を歩んでいくことをお誓い申し上げます。

法華経序品の『慈を以て身を修め(じをもってみをおさめ)』のごとく、菩薩の道を歩まれた脇祖さまを
脇祖妙佼慈道菩薩
と仰(あお)ぎ、報恩供養の誠を捧げます。

 一心(いっしん)に仰ぎ見たてまつる久遠実成の御本尊
並びに十方世界に遍満(へんまん)する、
諸仏・諸菩薩・諸天善神
私たちを法華経にお導きくださいました、
開祖さま・脇祖さま
何とぞ、私たちの菩薩行をご照覧(しょうらん)くださいますように、宇宙に存在する唯一(ただひと)つの母なる水の惑星・地球世界に平和が招来(しょうらい)されますように、すべての生きとし生けるものが平安でありますように、慈悲の御手(みて)を差し伸べ、ご守護くださいますようお願い申し上げます。
南無妙法蓮華経
令和二年九月十日
立正佼成会
会長 庭野日鑛
謹んで申し上げます