終戦から75年の節目 大聖堂で「戦争犠牲者慰霊・平和祈願の日」式典 (動画あり)

大聖堂では光祥次代会長を導師に読経供養が行われた。全ての戦争犠牲者に慰霊の誠を捧げ、世界の恒久平和を祈念した

終戦から75年の節目を迎えた8月15日、立正佼成会の「戦争犠牲者慰霊・平和祈願の日」式典が大聖堂(東京・杉並区)で行われた。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い会員は参集せず、式典の様子がインターネットの動画共有サイトでライブ配信(会員限定)された。

「大和」の精神を正しく理解し後世に――庭野会長が法話

式典では、聖壇で読経供養が行われた。この中で、導師をつとめた庭野光祥次代会長が、庭野会長の回向文を奏上するとともに焼香し、平和の象徴である折り鶴を献じた。

続いて、庭野会長が登壇。焼香と献鶴の後、法話を述べた。

庭野会長は、聖徳太子が定めた「十七条憲法」の第一条にある「和を以(もっ)て貴(たっと)しと為(な)す」という言葉を挙げ、これに込められた「大和(だいわ)」の精神に言及。日本の古称でもある「大和」とは「大いなる平和・調和」という意味であり、日本は古来、国家的、民族的な理想として、この精神を尊んできたと説明した。「大和」は古今を通じた日本の本願であり、世界の平和を築く上で、「『大和』の精神を本当に正しく理解し、受け取って、後世に伝えていくことが大事」と語った。

庭野会長は、映像を視聴する全国の会員に向けて、調和の大切さを説いた

また、産経新聞7月7日付の「朝の詩(うた)」に掲載された「人は年を重ねるたびに新しい時をつくります/私自身が新しい人になるのです」という書き出しで始まる『時の流れ』(渡邊美知子作)と題する詩を紹介し、創造的な意識を持って、心の新陳代謝を図っていく大切さを強調した。

さらに、道元禅師の「学道(がくどう)の人、若(も)し悟(さとり)を得ても、今は至極(しごく)と思(おもう)て、行道を罷(やむる)ことなかれ。道は無窮(むぐう)なり、さとりても猶(なほ)行道すべし」という言葉を引用し、「仏道を学ぶ人は、もし悟ることができたとしても、もうこれでよいと思ってはならない。道はきわまりないものであるから、悟ってもなお、修行しなければならない」という意であると説明。「人生は絶えざる学業」であり、社会や宇宙といった全てのものがそのままに大きなつながりを持つ、いわば「一大経巻」であると示し、こうしたことを踏まえ、「私たちは、日々学んで、“新しい人”になることが大事」と精進を促した。

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