本会一食平和基金 「2019年度運営報告」を発表 国内外の計39事業に総額2億5069万円

ロヒンギャ難民を支援するUNHCRに浄財を寄託。バングラデシュのクトゥパロン難民キャンプに2階建ての学校が建てられた ©UNHCR/Roger Arnold

立正佼成会一食(いちじき)平和基金の2019年度運営報告が先ごろ、同基金運営委員会から発表された。同委による新中期運営方針(18~23年)に沿って拠出された昨年度の総額は、9分野39事業の取り組みに対して2億5069万9280円に上った。

このうち、「貧困(飢餓)の解消」「教育・人材育成」に重点が置かれ、この2分野では11の事業を支援し、推進した。「緊急救援・復興支援」「難民支援」「環境への取り組み」「保健・医療・福祉」などの分野では、被災した自治体への見舞金のほか、国連機関やNGOの活動に役立てられた。

飢餓と貧困のない世界へ 「一食を捧げる運動」を基に

本会一食平和基金は、会員が月に数回の食事を抜き、その食費分を献じる「一食を捧げる運動」の浄財で運営されている。同基金による支援は、全ての生命は大いなる一つのいのちに生かされている同根の兄弟姉妹であるという「一乗」の教えに基づき、世界平和の実現を願いとして行われており、昨年度も「貧困(飢餓)の解消」「教育・人材育成」に重点が置かれた。

カンボジアの農村で食品加工の研修を受ける女性たち。野菜や卵などを加工し販売する(JVC提供)

国連が昨年発表した報告書によると、十分な食料を得られず、深刻な栄養不良に陥っている世界の飢餓人口は8億2160万人に上る。世界人口の9人に1人に相当し、3年連続で増加した。

こうした状況を受け、「貧困(飢餓)の解消」の分野では、「アフリカへ毛布をおくる運動」、日本国際ボランティアセンター(JVC)による「農業・環境・地域開発事業」、国連世界食糧計画(国連WFP)の「ミャンマー学校給食プログラム」に計2682万8287円を拠出。このうち、「農業・環境・地域開発事業」では、経済的に厳しいラオスとカンボジアの農村で住民と共に自然資源を利用した持続可能な農業を推進し、生活の安定を目指した。取り組みの結果、収穫量が増え、貧困の解消に寄与した。

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