新郎新婦のマスク着用義務を解除――イタリア内務省(海外通信・バチカン支局)

「人類の友愛」によるアマゾン援助

50トンの医療支援物資や食糧などを積んだ貨物機が6月25日、アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビから、南米ペルーの首都リマに向けて出発した。輸送されたマスク、手袋、酸素ボンベや食糧などは、アマゾン川流域の密林地帯にあるイキトス(人口約40万人)に届けられ、新型コロナウイルスの感染に苦しむ先住民らの救援活動に使用される。バチカンの公式ウェブサイト「バチカンニュース」が同日に報じた。

今回の支援は、昨年2月にアブダビでローマ教皇フランシスコとイスラーム・スンニ派最高権威機関「アズハル」(エジプト・カイロ)のアハメド・タイエブ総長が署名した「人類の友愛に関する文書」の精神に沿って行われたもの。南米で新型コロナウイルスの感染が拡大する中、教皇が「貧者に対する救援活動」を呼び掛け、UAEのムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン皇太子が応えて実現したものだ。

イキトスでの救援活動は、バチカン教育省にある財団と現地のカトリック教会の協力で展開される。財団関係者によると、(アマゾン地域に住む)全ての住民が、同ウイルス感染症の流行に苦しむだけでなく、都市封鎖(外出禁止令)による経済活動の停止などで、さらなる貧困に陥り、生存の危機に直面しているという。
(宮平宏・本紙バチカン支局長)