本会「モンゴル看護師育成支援プロジェクト」完了へ 留学生受け入れ、人材輩出
モンゴルの医療と看護の発展に貢献することを目的とする「立正佼成会 モンゴル看護師育成支援プロジェクト」の最後の留学生となるツェベルマー・ナランゾルさん(23)が今年3月、佼成看護専門学校を卒業した。念願の看護師国家試験に合格し、佼成病院(東京・杉並区)で看護師の道を歩み出した。
このプロジェクトは、本会でモンゴル国立医学大学看護学校の学生を受け入れ、看護師として育成するもので、2009年12月に始まった。留学生は同専門学校の教育課程(3年)で学び、看護師資格取得を目指す。国家試験に合格した後、日本の病院で実務経験を積み、母国で看護に関わる人材の育成を担う。
これまで留学生4人が同専門学校を卒業し、3人が看護師の国家資格を取得した。1期生のガンチュルーン・サンブーさんは佼成病院に勤務した後、日本の政府開発援助(ODA)で設立された同国初の大学付属病院「日本モンゴル教育病院」の開院準備に参加。今春、日本の国費留学生として、東京医科歯科大学保健衛生学研究科の博士課程に進んだ。3期生のウルジィーバヤル・セレンゲさんは、佼成病院で3年間の実務経験を積み、間もなく帰国する予定だ。
モンゴルの看護師育成に貢献したことが評価され、17年にはモンゴル国立医学大学から本会に感謝状が贈呈された。
プロジェクトは当初に想定した成果を収めたとして終了が決定。4期生のナランゾルさんが佼成病院での実務経験を終えた時点でプロジェクトは完了となる。
当初からプロジェクトに携わる神保好夫校長は、患者の看護よりも医師の補助的な業務が主となるモンゴルの看護環境を踏まえ、留学生に対しては、日本で学んだことを基に、どのような環境でも自ら考え、患者のために尽くせる看護師の育成に努めてきたと話す。さらに、看護師として最も重要なのは「優しい言葉と笑顔」であり、それが患者の精神的な支えになることを繰り返し伝えてきたと言う。
神保校長は、「優秀な人材を輩出できたのは、学校だけでなく、実習先の佼成病院や生活の基盤となった学林の寮、留学生のフォローアップを担う教団本部の複数の部署が一体となって取り組めたからこそ。医療面の貢献と同時に、日本とモンゴルの友好を深められたことは大きな成果だと思います」と振り返った。