〈ひと〉WCRP/RfP日本委青年部会の幹事長に就任した杉谷義恭さん(38)

座右の銘は「不易流行」(良き伝統を守りながら、時代の流れに即して変化する)と語る杉谷幹事長

1月28日の世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会の理事会・評議員会の席上、青年部会の幹事長に選出された。小林恵太・カトリックアトンメントのフランシスコ会修道士の後任で、14代目になる。

「日本委員会の諸大徳が果たしてこられたお役を務めさせて頂くことは光栄なことです。青年部会が掲げる『出会い・啓発・実践』の三つの柱をしっかりと引き継ぎ、大切にしていきたいと思います」。静かな口調の中に熱い思いがこもる。

東京・台東区にある天台宗東叡山寛永寺圓珠院に生まれた。大正大学を卒業後、米ウェスタンミシガン大学に約2年間留学。自らの文化や信仰を自信と誇りを持って語る外国人の国民性に触れ、寺院に生を受けた者として、人々の信仰心を醸成していく役割を認識した。宗教間対話への関心も高まった。

帰国後、大正大学大学院で「比叡山宗教サミット」を主題に、日本での宗教間対話を研究し、修士号を取得。同委前理事長の父・杉谷義純師(天台宗妙法院門跡門主、同委評議員)の後を継ぎ、2017年9月に圓珠院の住職に就いた。

この間、同委では10年から青年部会の幹事、16年から副幹事長を務めた。印象深い活動として、核廃絶や軍縮、開発の促進を訴える署名活動「ARMS DOWN! 共にすべてのいのちを守るためのキャンペーン」を挙げる。青年たちが宗教の垣根を越えて協力し、世界で2000万筆以上の署名が集まったことに、青年の力強さと行動力を感じた。

「3年後に青年部会発足50年の節目を迎えます。青年ならではのフットワークを生かし、宗教協力の輪を広げていきたい」