釈尊「降誕会」を迎え大聖堂で読経供養 導師をつとめた光祥次代会長が庭野会長の「啓白文」を奏上
啓白文
本日、釈尊降誕会にあたり、本仏釈尊の御前において、仏弟子日鑛、謹んで申し上げます。
私たち仏教徒が信奉するお釈迦さまは、二千数百年の悠久の昔、釈迦国の浄飯王(じょうぼんのう)・摩耶王妃(まやおうひ)の太子として、四月八日、無憂華(むうげ)が咲き渡るルンビニーの園で誕生なされました。
お誕生間もないお釈迦さまは四方に七歩歩まれ、天地を指さし「天上天下(てんじょうてんげ)、唯我独(ただわれひと)り尊し。三界は皆苦なり、我当(われまさ)にこれを安んずべし」とのお言葉を発せられました。この説話の意味するところは、地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上の六道を超え、一切の生きとし生けるものを救い導くという、尊く有難い大宣言であります。
天の八大龍王(はちだいりゅうおう)が、甘露(かんろ)の雨を降らして讃歎(さんだん)供養する故事に則り、誕生仏のご尊像に甘茶を灌(そそ)いで供養申し上げるものであります。
法華経方便品には、諸仏出世の一大事因縁が明らかにされています。み仏のご出生の目的は唯一つ、衆生に仏の智慧を成就させることにあります。それは私たちが真理に目覚めることであり、悩み苦しむ人々が仏さまの教えによって救われるようにと願い、大乗菩薩道にまい進することです。
私たちは、開祖さまとの結縁(けちえん)のおかげさまで、お釈迦さまご出世の一大事因縁・ご本願を信受させていただくことができました。
そして、本日の式典を通して、お釈迦さまのご生誕を讃歎し感謝すると共に、一人ひとりが更なる精進をすることをお誓いいたします。
並びに十方世界に遍満(へんまん)する、
諸仏・諸菩薩・諸天善神
私たちを法華経にお導きくださいました、
開祖さま、脇祖さま
何とぞ、私たちの菩薩行をご照覧くださいますように、宇宙に存在する唯一つの母なる水の惑星・地球に平和が招来されますように、すべての生きとし生けるものが平安でありますように、慈悲の御手を差し伸べ、一切のご守護くださいますようお願い申し上げます。
令和二年四月八日
立正佼成会
会長 庭野 日鑛
謹んで申し上げます