北九州、南九州両支教区がインターネット配信で大学生練成会

インターネット配信によって初めて行われた九州の大学生練成会

3月28日、立正佼成会の北九州、南九州両支教区が合同でインターネット配信による大学生練成会「九州22教会 春のWeb練」を開催した。

同18、19の両日に予定していた「春の大練」(大学生練成会)が新型コロナウイルスの影響で延期になり、これを受けて初めて行われた。当日は3時間にわたって、事前に収録した研修などの動画やライブ中継が限定公開され、視聴者は自宅からパソコンやスマートフォンを通して練成会に参加。視聴回数は1900回に上った。

新たな発想で 「離れていても、つながり合う!」

「春の大練」は、社会に貢献できる人材の育成を目的に3年前から九州の大学生らを対象に行われている。今年も実行委員会が発足したが、新型コロナウイルスの影響により延期を決定。実行委員は3月中旬から集わずに練成会を行う手段を検討し、オンラインでの実施を決め、対象者にSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通して告知した。

開催に向けて実行委では、「人のためにまず自分を好きになる」「感謝からはじまる出会い」「つながりにあふれた世界に気づく」という練成会の願いを確認。加えて、同ウイルスの影響で先の見えない状況の中、不安やストレスを抱えた人を元気づけたいとの思いを共有し、準備を進めた。

視聴者は画面を見ながらリアルタイムで意見や感想などのコメントを投稿

当日は最初に研修の動画などを配信した。『私の基本構想』と題して研修した実行委員の男性Kさん(20)=久留米教会=は、大学生練成会で初めて研修講師を務めた時、十分に役を果たせずに悔しい思いをしたことが、その後の学生部活動の原動力となり、成長につながったと発表。「なりたい自分」を定め、挑戦する大切さを強調した。

続いて機関誌「佼成」2020年4月号に掲載された宮崎教会の学生部員(22)の信仰体験を紹介し、彼へのインタビューを配信。次に実行委員によるトークセッション「今、私たちにできること」を大分教会からライブ中継した。

トークセッションには実行委員長(21)=久留米教会=と実行委員3人が出演。各国で同ウイルスの感染が広がる現状について意見を交わし、「世のため、人のためになる行動は何か」を視聴者から募った。

実行委員の男性Yさん(21)=小倉教会=は、陽性の診断を受けたスポーツ選手などが自らの症状を発表し、多くの人の注意を喚起したと指摘。また、実行委員の女性Sさん(19)=久留米教会=は、東京スカイツリーの展望デッキに投影された「みんなで打ち勝とう」というメッセージに励まされた人が多く、心に響くメッセージの発信が重要と語った。

視聴者からは、「外にできるだけ出ない」「終息への祈願を」「こんな時こそ、『一食(いちじき)を捧げる運動』に取り組む」「一人ひとりが譲り合う心を持つ」などのコメントが寄せられた。これを受け、「世界中の人が苦しんでいます。祈りを捧げる気持ちでご供養させて頂きたい」とKさん。他のパネリストからは、不安な気持ちを抱える友人に電話するといった意見が上がった。

この後、被爆地・長崎から平和メッセージ、2030年までに世界の課題の解決を目指す国連の「持続可能な開発目標」(SDGs)に関する研修が映像で紹介された。

配信を終え、実行委員長は、「たくさんの方の応援で今日を迎えることができました。Web練を通じて、〈世界の人のために何かしたい〉という思いは皆一緒だ、離れていてもつながっていると実感できました」と語った。