「インドネシア大統領がローマ教皇フランシスコを招待 インドネシア宗教者平和会議も歓迎」など海外の宗教ニュース(海外通信・バチカン支局)
インドネシア大統領がローマ教皇フランシスコを招待 インドネシア宗教者平和会議も歓迎
インドネシアのジョコ・ウィドド大統領はこのほど、ローマ教皇フランシスコが同国を訪問する意向を明かしたことに対し、公式訪問として歓迎する旨を記した親書をバチカン宛てに送付した。アジアのカトリック国際通信社「UCAニュース」が1月27日に報じた。
教皇のインドネシア訪問の意向は、25日に同国最大のイスラーム機関「ナフダトゥル・ウラマー」のヤヒャ・チョリル・スタクフ事務局長がバチカンで教皇に謁見(えっけん)した際、教皇自身が明らかにしたとのことだ。スタクフ事務局長は、教皇が「今年9月にインドネシアと東ティモール、パプアニューギニアを訪問したい意向を明らかにした」と語った。
ウィドド大統領は、教皇に向けた親書の中で「聖下(教皇)の訪問が、相互(カトリック教会とイスラーム)の利益を追求するための、友愛と協力を強化していく良き機会となる」と記している。
インドネシア宗教者平和会議のアフマド・ヌルクホリシュ師は、「教皇の訪問が諸宗教対話と協力を活性化し、カトリック教会とイスラームの関係を強化していく」と発言。さらに、「国内における諸宗教共同体の関係が強まる」と期待を寄せた。
インドネシア大統領府にある、「寛容」を促進する委員会メンバーであるアントニウス・ベニー・スセトヨ神父(カトリック)は、教皇の訪問が「紛争が絶えない世界の現状に対し、インドネシアが国際政治の舞台で対話文化を促進していることを示す」機会になるとし、ウィドド大統領に教皇の招待を進言したとしている。
さらにスセトヨ神父は、「パンチャシラ(インドネシアの建国5原則)にある寛容の精神を基盤として、民主主義を追求する世界最大のイスラーム国家インドネシアの役割」の重要性を指摘。「教皇のインドネシア訪問によって世界の人々がパンチャシラについて学び、その精神を新たな人道的原則とできるように」との希望を持っていると述べた。
教皇が昨年2月にアラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビでイスラーム・スンニ派最高権威機関「アズハル」(エジプト・カイロ)のアハメド・タイエブ総長と共に署名した、「人類の友愛に関する文書」についての研究が、同国の宗教界では強力に推し進められている。