一食平和基金から拠出 シリア北東部の避難民救援、比・ミンダナオ島の地震被災者支援に
立正佼成会一食(いちじき)平和基金運営委員会はこのほど、シリア北東部の避難民救援に300万円、フィリピン・ミンダナオ島の地震被災者支援に200万円の拠出を決定した。
シリア北東部では、治安維持に当たっていた米軍が撤退した直後の10月9日、トルコ軍が国境付近のクルド人支配地域に侵攻。武力攻撃によって多数が犠牲となり、大量の難民が発生した。現在は、トルコが米国、ロシアそれぞれの間で停戦に合意し、戦闘は停止されているが、トルコはクルド人勢力に対する強硬な姿勢を崩しておらず、予断を許さない状況が続いている。
国連によると、11月6日までに子供約8万7000人を含む21万5000人以上が国内避難民となり、1万4000人以上が隣国イラクへ逃れた。
こうした状況を受け、同運営委は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)を通しての支援を決定。UNHCRは、同地域で緊急用シェルターの支給や避難キャンプの運営、衛生用品や防寒用品の配布、避難民コミュニティーでの社会的弱者の保護などに取り組んでおり、300万円はこうした活動に役立てられる。
一方、ミンダナオ島南部では10月16日にマグニチュード(M)6.4、29日にM6.6、31日にM6.5の地震が発生し、20人以上が死亡、500人以上が負傷した。
米メディア・CNNによると11月1日時点で19カ所の避難所に1万2000人以上が避難。全壊または一部損壊した建物の数は2000棟を超えるという。
これから雨期を迎えるため、被災者の安全や健康状態が心配される。
200万円の支援金は、「親子で取り組むゆめポッケ」のパートナー団体である現地NGO「ミンダナオ子ども図書館」(MCL)に寄託。MCLは、避難生活を送る人々への炊き出しのほか、石けん、ティッシュペーパーなどの衛生キットやビニールシートの配布、被災した子供への絵本の読み語りといった支援活動を展開している。